毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年2月20日号からの抜粋です)
村上:学生と接する機会が多いのですが、彼らが業界の仕事で知っているのは、販売員やデザイナーくらい。あとはモデルとかプレスとか。マーケティングや営業、VMDといった職種はよく分かっていないし、知らないから「なりたい」と思えない。そこで考えたのが今回の「お仕事図鑑」特集です。
澤田:私は「メイクアップフォーエバー(MAKE UP FOR EVER)」のデジタル&コンシューマー エンゲージメント スペシャリストを取材しましたが、29歳にして裁量権を持って働いていて、すごいと思いました。日本ではまだ規模が小さなブランドだからというのもあるかもしれませんが、デジタルについて全部自分で決めて、いろんな部署と連携して、さまざまなプロモーション企画を実施して、3年で売上高3倍という実績も出していました。
村上:それはすごい。
澤田:はい。データを元に仮説を立て、企画・検証して、次につなげて、結果が数字にはっきりと出てくるところがやりがいのようでした。村上さんは何が印象に残りましたか?
村上:今回の特集には登場していませんが、企画実現のため全面的に協力してくださったピープル&カルチャーのシニアマネジャーがとても魅力的でした。
澤田:どんなことをするんですか?
村上:いわゆる人事でしょうが、文字通り会社のカルチャーをピープル、つまり社員に浸透させる仕事のようです。ブランドも多岐にわたるので、社内にいろんな人がいるのを社員に知ってもらう、ブランド間交流を促進するという業務もあり、面白いと思いました。
澤田:確かに私も取材から「ブランド間交流はこれからなんだな」と感じました。その辺りの交流を盛んにすれば、成功事例やノウハウなども共有できそうです。グループとして強くなることを狙っての職種かもしれないですね。ところで、どうして今回はLVMHジャパンだったのですか?
村上:学生に人気だし、業績として結果を出しているので、他の企業にとっても参考になる部分があるのではないかと考えました。でも、外資でモノ作りはしていないので、専門職は網羅できていません。第2弾はモノづくりをする企業を取材するつもりです!