ジョアン・ミッチェル財団(THE JOAN MITCHELL FOUNDATION、以下JMF)は、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」がフランスの女優レア・セドゥ(Lea Seydoux)を起用したハンドバッグ “カプシーヌ(CAPUCINES)”の広告にアーティストのジョアン・ミッチェルが制作した絵画を無断で使用したとして、「ルイ・ヴィトン」に対して停止通告書を送ったことを明らかにした。
財団によると、現在パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトン(Fondation Louis Vuitton)で展示されているミッチェルの作品のうち、少なくとも3点が許可なく使用されていることを確認したという。フォンダシオン ルイ・ヴィトンを運営するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)および「ルイ・ヴィトン」からのコメントは得られなかった。
ジョアン・ミッチェル財団によると、2022年末ごろから数回にわたって「ルイ・ヴィトン」から広告キャンペーンに使用するために作品の使用許可を求める連絡があったという。「JMFはアーティストの作品の画像は教育目的にのみ使用するという長年の方針に従い、この要請を文書で拒否した。JMFは、商業目的のキャンペーンや、他の商品・サービスの宣伝のためにアーティストの作品を使用する許可を出したことはない」と声明を発表した。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンでは、2月27日まで「モネ-ミッチェル(Monet-Mitchell)」展を開催している。財団は、「フォンダシオン ルイ・ヴィトンがこのような目的や方法で作品を撮影する許可を出したことは、JMFとの契約に違反している」「『ルイ・ヴィトン』がアーティストの権利を軽視し、金銭的な利益のためにミッチェルの作品を利用したことに対して大きく失望している。『ルイ・ヴィトン』がこのキャンペーンを直ちに取り下げ、作品の違法使用をやめなければ、JMFは速やかにさらなる法的措置を取る」と述べた。
「ルイ・ヴィトン」は最近、草間彌生とのコラボレーションや、アートバーゼルとの提携、パリ本社で開催している企画展「LV DREAM」などを通じてアート界との長年の関係を強調している。