中国のコスメが日本市場での存在感を高めている。
渋谷109の若者マーケティング研究機関「シブヤ109ラボ(SHIBUYA109LAB.)」がこのほど発表したトレンド予測2023に、中国発の「白湯(さゆ)メイク」ランクインした。あまり色味をつかわず、ナチュラルで透明感のあるように仕上げるのが特徴のトレンドメイクだ。昨年にはやはり中国発の純欲メイクも話題となった。にじみでるような血色とツヤ感、そしてキラキラのリップや目元を強調し、清純さと色気を両立させている。
こうしたトレンドに呼応するかのように、コスメ分野で中国ブランドが存在感を高めている。ロフトやドンキホーテ、マツモトキヨシなど、ドラッグ・バラエティ雑貨の専門店で中国コスメを扱う企業も増えつつある。貿易統計を見ると、中国コスメの対日輸出額はこの2年で20%増、5億7000万元(約108億円)増の31億8000万元(約604億円)に達している。中国コスメはどのようにして日本市場の扉を開いたのか。どのような日本人消費者が受け入れているのか。ツイッターを中心に中国美容トレンド情報を発信している「中国女子の呟き」さんに話を聞いた。
中国コスメの台頭、その理由とは?
中国女子の呟き/中華トレンドインフルエンサー
PROFILE:24歳の在日中国人女性。中国の美容情報やカルチャーを発信するためのコミュニティ「チャイナ情報局ハオハオ」を主催。ネットでの発信以外にも百貨店などでの中華トレンド・中国コスメの講座・無料体験イベントを多数開催。中国コスメに興味を持つ日本人との交流も多い。中国の魅力を伝えるために2021年4月にツイッターアカウント(@lin__China)を開設、美容コンテンツを中心に発信し現在のフォロワー数は約7万人
――気づけば中国コスメが日本の売り場で見かけるようになりました。中国発のトレンドメイクも話題です。いつからなのでしょうか?
中国女子の呟き(以下、中国女子):2010年代半ばぐらいから、数は少ないとはいえ、日本展開を狙う中国コスメはありました。また、2019年ごろにはチャイボーグメイク(チャイナとサイボーグをかけあわせた造語で、陶器のような肌など人間離れした完璧美女をイメージしたトレンドメイク)も話題となりました。
ただ、そこから一直線に成長してきたわけではありません。まず、2021年ごろから中国コスメの注目が高まり出しました。
私もその頃から情報発信をするようになりました。日本暮らしが長いので、中国コスメを使う機会はほとんどなかったのですが、中国のコミュニティアプリ「RED」(小紅書)を使っていて、中国での盛り上がりに触れてはまりました。私に限らずREDの影響力は強いです。中国コスメに興味を持つ日本人はみんな使っていますね。言葉がわからなくても動画や写真を見ているだけでわかることも多いので。
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