専門店チェーン、セレクトショップの2023年2月度売上高(既存店ベース)は、10日前後から気温が急上昇したことにより、各社で春物が好調に動き出した。入卒対応など、オケージョンシーン向け商品が売れ筋となり、客単価も上昇している。
国内ユニクロは前年同月比21.3%増。寒さが厳しかった昨年2月が同14.0%減と落としていたという面はあるが、テレビCMで打ち出している“タックワイドパンツ”のほか、“感動ジャケット”“感動パンツ”、ユーティリティーブルゾンなど、「春物の高単価商品がプロパーでしっかり売れている」(広報担当者)。客単価は同16.8%増。スプリングニットやシャツなども売れ筋となっている。
良品計画の「無印良品」は、同8.6%減と9カ月連続の前年割れだが、22年秋からテコ入れを進めている衣服・雑貨に限れば同3.9%増(前年は同14.5%減)。4カ月ぶりに前年実績を超えた。気温上昇で「春物衣料を中心に好調に推移」(発表資料から)した。今春値上げしている生活雑貨は、値上げ前の駆け込み購入の反動で同16.7%減。
しまむらの「ファッションセンターしまむら」は同112.2%増。同社は1月21日〜2月20日集計のため、1月下旬の気温低下により、冬物が好調。暖かくなるのに伴い、シャツやジーンズなどの春物も動いた。
アダストリアも同24.8%増と大幅増。「1月30日〜2月5日に自社ECで1000円オフクーポンを配信したことも寄与したが、月の中〜下旬にかけては春物がプロパー価格でしっかり売れた」と広報担当者。売れ筋はセレモニーにも対応できるジャケットや、ブラウスとパンツのセットアップなど。21日にECで発売した「フォーエバー21(FOREVER 21)」は「予定通りで堅調な滑り出し」という。
ユナイテッドアローズも同25.3%増。メンズスーツやウィメンズのセットアップ、ブラウスなど、「ビジネス、フォーマルアイテムが好調だったことに加え、気温上昇でカジュアルウエアのニーズも活発化した」(発表資料から)。