LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が擁する「ティファニー(TIFFANY & CO.)」は、ホームカテゴリーのアーティスティック・ディレクターに、ラグジュアリーECサイトを運営するモーダ・オペランディ(MODA OPERANDI)の共同創業者であるローレン・サント・ドミンゴ(Lauren Santo Domingo)=チーフ・ブランド・オフィサーを任命した。
「ティファニー」がホームカテゴリーに同ポジションを設けるのは初めて。ドミンゴ新アーティスティック・ディレクターは昨年の秋にすでに着任しており、「ティファニー」のハウスウエアのデザインや生産のチームの顧問を担っている。彼女の起用により、かつてはブランドの核であったホームカテゴリーをモダンに刷新し、1990年代以降は縮小していたホームウエアやアクセサリー、ジュエリーの多様化と拡大を図る。
デビューコレクションは、現在改装中であるニューヨーク・マンハッタン5番街の本店のリニューアルオープンに合わせ、4月に発売する。世界中の「ティファニー」店舗に加え、オンラインストアでも販売する予定だ。一部の商品は、「モーダ・オペランディ」でも取り扱う。今後は、新商品や季節ごとのカプセルコレクションを発表していくという。
ドミンゴ新アーティスティック・ディレクターによる初コレクションでは、“ティファニー ベリーズ(Tiffany Berries)”や“ティファニー オーデュボン(Tiffany Audubon)”など6つの新たなモチーフのテーブルトップ(天板)のコレクションと、4種類の手吹きガラスのコレクションが登場。フランスの高級陶磁器 「リモージュ(LIMOGES)」のポーセリンやイタリアの工芸品ムラーノ(ベネチアンガラス)製の手吹きガラスなどは、引き続きアメリカやヨーロッパ、日本で生産される。
ドミンゴ新アーティスティック・ディレクターは、「ヴォーグ(VOGUE)」のコントリビューティング・エディターを務め、2010年にECサイト「モーダ・オペランディ」を設立。オリジナルのホームカテゴリー「モーダ・ドムス(MODA DOMUS)」のデザインなども手掛けている。インスタグラムで43万人以上のフォロワーを持つ彼女は、コロンビアやパリ、ニューヨーク、ハンプトンズなどに住居を構えており、数々のインテリアデザイン雑誌に特集されるなど話題を集めていた。なお「モーダ・オペランディ」は、「ティファニー」ホームカテゴリーの卸売りにおける独占販売権を持つ。
ドミンゴ新アーティスティック・ディレクターは、「小売りでの経験やキュレーション力を活かし、ブランドの歴史に基づいた魅力あるアイテムを作っていきたい。長く愛される定番品と同時に、季節ごとのカプセルコレクションなどで新しさと楽しさを提供する予定だ」と語る。今後、ファッション業界の幅広い交友関係を活かし、多彩なコラボレーションも視野に入れているという。
アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=ティファニー プロダクト&コミュニケーション部門エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントは、「彼女のクリエイティブなビジョンと申し分のないスタイルは、『ティファニー』のホームコレクションにラグジュアリーでモダンな新しい時代をもたらすだろう」とコメント。アーカイブを再解釈した商品開発にも期待していると述べた。