「コッキ(KHOKI)」は13日、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」で2023-24年秋冬コレクションを渋谷ヒカリエのイベントスペースで披露した。東京都とJFWOが共催するファッションコンペ「東京ファッションアワード(TOKYO FASHION AWARD)」受賞による支援を受けて、ブランド初のランウエイショーを実施した。
同ブランドは、東京を拠点とする複数人のデザイナーチームによって2019年に設立した。“人の手が見えるモノづくり”コンセプトにしている。取り扱いアカウントは国内で22、海外で3だ。
ショーの舞台は、高い天井に大きなカーテンを架けて、子どもの寝室のようにファンタジーな空間を作った。積み木を思わせる木製ボックスを並べてランウエイを表現し、動物の鳴き声や木々が揺れる音、不穏なバイオリンの音色などが響くと、ショーが始まった。
温かみのあるアイテムと
強烈なクリエイションの融合
ファーストルックは、黒のウールコートの中に白のパニエドレスを合わせた僧侶のようなスタイル。観客の膝に触れるほどボリュームあるシルエットと、顔タトゥーのようなメイクで、強いインパクトを放つ。その後、パッチワークキルトやニットなどの温かみのあるアイテムを軸にしながら、奇抜なヘッドピースでおとぎ話のような世界へと誘う。デニムパンツやレザージャケットは、イエロー、白、ブルーのキャッチーなパッチワークキルトをあしらい、ニットは植物のような有機的な柄を表現した。それらに、悪魔のようにツノの生えたヘッドピースやエルフのように長い耳のアクセサリー、毛足の長いファー付きのシューズ、無数の花びらをイメージしたようなデニムトップスなどを合わせてく。
感高い笑い声や鳥の羽音など不穏な音響も入り混じり、ショーはどんどんカオスになっていった。フィナーレでゴールドの甲冑とブラックのパニエドレスを合わせたルックがランウエイを去り、激しいバイオリンが会場全体に鳴り響くと、背筋がゾクゾクし、心を掻き乱されたような感覚を覚えた。
ショー直前にデザインチームの1人は、「いい意味で来場者の想像を裏切るショーになれば」と語っていた。この鮮烈なデビューショーにより、今シーズン最大のダークホースになる可能性は十分だ。