プラダ グループ(PRADA GROUP)の2022年12月期決算は、売上高が前期比24.8%増の42億100万ユーロ(約6007億円)、調整後EBIT(利払前・税引前利益)は同69.3%増の8億4500万ユーロ(約1208億円)、純利益は同58.1%増の4億6500万ユーロ(約664億円)だった。
地域別での売上高は、ヨーロッパが同58.4%増の11億8700万ユーロ(約1697億円)、南北アメリカは同36.7%増の7億8200万ユーロ(約1118億円)、下半期が特に好調だった日本は同24.2%増の3億6900万ユーロ(約527億円)といずれの地域も2ケタ成長となった。しかし、複数回にわたるロックダウンの影響を受けた中国市場を抱えるアジア太平洋地域(日本を除く)は、同3.3%増(現地通貨ベースでは2%減)の12億3200万ユーロ(約1761億円)だった。
ブランド別に見ると、主力の「プラダ」の売り上げは現地通貨ベースで同25%増、「ミュウミュウ(MIU MIU)」は同20%増といずれも好調だった。部門別でも、ウエアが同27%増、レザーグッズは同18%増、フットウエアは同29%増とバランスよく成長。販売チャネル別では、小売りが既存店ベースで同24%増だったほか、ECも2ケタ成長と好調だった。
パトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)=エグゼクティブ・ディレクターは、「ブランドの勢いや顧客とのより深いエンゲージメント、そして事業戦略を厳格に遂行することにより、22年も素晴らしい業績となった。小売りが売り上げをけん引し、全ての商品カテゴリーや地域で好調だったため、コロナ禍の影響による中国市場での不調を相殺できた」と語った。
同氏はまた、23年1月に新たな最高経営責任者(CEO)として、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)の戦略開発シニア・アドバイザーを務めていたアンドレア・グエラ(Andrea Guerra)を迎え、それに伴い自身が共同CEOを退任してエグゼクティブ・ディレクターに就任したことについてもコメント。「組織の変化により、グループは根本的な進化を遂げた。22年は(ブランドの)ポジショニングを強化するとともに、組織もいっそう強化した。23年は戦略の遂行をさらに推進し、持続的かつ安定した成長を続けていく」と述べた。なお、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)共同CEOも同職を退任している。
これらの人事は、いずれ2人の息子であるロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)=プラダ グループCSR部門ヘッドを後継者とするための地固めだ。新CEOの任命を発表した際、2人は「持続的かつ安定した事業の成長のため、次期CEOとなることを快諾してくれたアンドレアに感謝する」と述べている。
グエラ新CEOは、「会社が発展していく、非常にエキサイティングでエネルギーに満ちた時期にプラダ グループに加わることができ、とてもうれしく思う。比類のないクリエイティブなビジョンと、商業的な強みを持ち合わせている当社は、さらに大きく成長できるものと確信している。ブランドの発展、販売網の見直し、生産力の向上に引き続き投資していく。23年も、市場平均以上の成長率となるものと期待している」と話した。