2023-24年秋冬ミラノ・ファッション・ウイークが2月22~27日に開催された。今季は日常的に身に着けやすいワードローブを高度なテーラリングや上質な素材によって格上げした、洗練されたラグジュアリーを表現したブランドが多く見られた。また、ボディーに沿った細長いシルエットや、強いショルダーからウエストにかけてのラインを意識したグラマラスなルックも印象的。コートはよりエレガントなマキシ丈、スカートはミディ丈が増え、細いキトゥンヒールのシューズが目を引くなど、全体として優雅でシックでありつつ、リアルさも兼ね備えたアイテムが目白押しだ。ここでは、海外有力店のバイヤーたちが感じた23-24年秋冬ミラノ・コレクションのトレンドや総論を紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2023年3月13日号からの抜粋に加筆をしています)
ノードストローム(NORDSTROM)
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リッキー・デ・ソーレ(Rickie De Sole)/ウィメンズ・ファッション・ディレクター
よかったブランド:「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「プラダ(PRADA)」「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」「フェラガモ(FERRAGAMO)」
「ボッテガ・ヴェネタ」は、19世紀の芸術家ウンベルト・ボッチョーニ(Umberto Boccioni)のブロンズ像が配された会場でフリンジコートを披露するなど、引き続きアート、カルチャー、ファッションを魅力的にブレンドしていた。エフォートレスなイブニングウエアや洗練されたテーラリングは、素晴らしいコレクションの数々の中でも飛び抜けて印象に残っている。
「プラダ」のユニフォームをモダンに解釈したコレクションも非常によかった。背中が繭のように丸みを帯びたパーカー、テーパードされたパンツ、キトゥンヒール(細いローヒール)など秋冬に使いやすいアイテムが目立つ。また、ウエディングドレスのような花飾りやオーガンジーがあしらわれたものもあり、予想外の柔らかさやテクスチャーの遊びが楽しかった。
「ブルネロ クチネリ」は、フェミニンで流線的なシルエットのブレザーやスカートなどで構成された、力強いコレクションだった。「フェラガモ」は鮮やかな色と彫刻的なアクセサリーが若々しく、今後に期待が持てる。
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