栗原たおが手掛ける「タオ(TAO)」は29日、2023-24年秋冬コレクションのミニショーを東京・南青山のコム デ ギャルソン社で行った。フロアにパイプ椅子と蛍光灯を並べたシンプルな会場に、プレスや関係者のほか、ブランドに携わるスタッフが訪れた。
ショーは、赤いダウンジャケットとブラックのパンツのルックで開幕した。パンツの下には花柄のタイツを、足元は素足にレザーシューズを合わせるデイリーな提案だ。その後もウール地のタータンチェックのブラウスやワンピース、ニットのフーディーや帽子など、カジュアルで温かみのあるアイテムを、鮮やかな発色のダウンやナイロンタフタのアウター、トラックパンツといった、スポーティーなアイテムとのレイヤードで軽やかに見せた。
アウターは、レイヤードを前提としたギミックが際立った。ダウンアイテムはスナップボタンで身頃を外せる仕様が多く、縮絨ウールのジャケットも大胆なクロップド丈にアレンジした。また、トラックパンツにはラメツイードの生地をあしらい、ナイロンブラウスにはチュールやリボンを付けて、エレガンスの要素を加えた。
「タオ」らしいガーリーなテイストも健在で、ブラウスには花柄を刺しゅうし、スカートには柄違いのラッフルを重ねて、カーディガンには花のモチーフのビジューをあしらった。また、バッグブランド「テンベア(TEMBEA)」とコラボし、タータンチェックのトートバッグや、起毛したモヘアの手袋などを披露した。
ショー後に栗原デザイナーは、「(コレクション制作では)軸となる着想源が降りて来ることもあるし、その時の気分を反映して作ることもある。今回は、“秋冬にはこんな服でおしゃれをしたい”という気持ちで作った」と話した。ファッションを楽しみたいという純粋な感情からスタートしたコレクションは、デイリーな提案と新鮮なアイデアをバランス良く織り交ぜ、幅広い層に響きそうだ。