大磯産業が7月から独占輸入販売する伊ゴルフブランド「ノーべ・プント・ドゥーエ(9.2 GOLF PRO)」は、ユニークなゴルフシューズが主力商品だ。オーナー兼デザイナーでゴルフが大の趣味であるカルロ・キオンナ氏は、ファッショナブルでありながら高い機能性と両立したシューズを開発し、2019年に商品を発表。コロナ収束後、既存のブランドに満足しないゴルファーの支持を集めるようになった。
イタリアンレザーを用いたカラフルなラインアップが目を引くが、軽くて弾力性のあるミッドソール、前後に分割した構造にすることでスムーズなスイングを実感できるアウトソールなど、高度な機能性を併せ持つ。イタリアの工場の職人たちによって1点ずつていねいに作られる。アイコンになっているのが靴底にあるゴルフボールを模した球体だ。キオンナ氏は「(プレー中)ボールはよくなくなるので、スペアが必要だろう?」と笑う。そんな遊び心も魅力の一つだ。
今年1月に開催されたメンズファッション見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」では、約1500人を招待したイベントを開き、シューズ型のブースの中でキオンナ氏がDJプレイを披露して会場を盛り上げた。また、イタリア各地で年間19回にわたるゴルフ大会を主催するなど、草の根活動にも力を入れる。世界的にゴルフ熱が高まる中、日本においては大磯産業を通じて認知拡大を図る。
アパレルや服飾雑貨を多く手掛ける大磯産業だが、ゴルフ用品は初めて。販路は百貨店やセレクトショップが中心で、シューズの販売価格は5万9000円から。
ブランド名はイタリア語で「9.2」の意味。キオンナ氏によると、かつて経営していた会社の所有権をめぐって争いになった際、「自分で株式を買い取った金額(920万ユーロ)を記念にブランド名にした」という。