新年度を迎え、4月3日に国内のビューティ企業各社が入社式を行った。今年は対面式で行う企業が大半で、マスクの着用にめぐっては個人の判断に委ねた企業が多く見受けられた。
資生堂は、グループ会社含め224人が入社した。東京国際フォーラムで行われた入社式には、コロナ禍の影響でオンラインでの入社式を余儀なくされた20〜22年に入社した社員も参加し、総勢約1100人が出席した。
魚谷雅彦・資生堂会長CEOは、「私は『夢は必ずかなう』と信じている。皆さんの『夢』は何ですか?資生堂は、美の力を通じて世界中の人々の心を豊かにし、生きる喜びや幸せをもたらす企業であり続けるという強い使命を持っている。これは当社の『夢』でもある。この夢の実現には、皆さんの思いと力、そして行動が必要だ。自分自身が資生堂の未来を作るんだという強い思いを持って、一緒に『美』の未来へ挑もう。そして、めまぐるしく変化する時代において、皆さん一人一人の『個の力』こそが当社の成長をけん引すると、私は信じている。資生堂での仕事を通じて、日本や世界でのさまざまな課題を解決し、持続性のあるよりよい社会を実現してほしい。資生堂の未来を作るのは、あなたです!世界を目指して、一緒に頑張ろう」と語った。
花王は、グループ会社含め186人の新入社員を迎えた。東京・すみだ事業場で行われた入社式では、新入社員全員が「花王で挑戦したい夢や想い」をボードに書き起こし、宣言した。
長谷部佳宏花王社長は、「私から、新入社員の皆さんに伝えたいことが3つある。1つ目は『仕事を楽しむこと』。2つ目は、『個性を磨き上げること』。3つ目は、『天祐は常に道を正して待つべし』(創業者長瀬富郎氏の言葉)。何かに没頭しひたむきに努力することで、必ずチャンスが訪れる。ぜひそのチャンスを自分の手で掴んでほしい。この3つのことを忘れず、皆さんのフレッシュな力で社内に新しい息吹をもたらし、プロフェッショナルとして活躍してほしいと思う。そして、これから始まる花王での社会人生活を思い切り楽しんでほしい」とエールを送った。
コーセーは、総合職で25人(うち、研究開発系総合職13人、デザイン系総合職3人、文系総合職9人)、ビューティコンサルタント職で39人の新卒採用を行った。入社式はそれぞれ会場を分け、総合職の社員は本社で、ビューティコンサルタント職は同社の研修センターで実施した。
小林一俊コーセー社長は、「化粧品は見た目を変えるだけでなく、心も明るくする消費財である。コロナ禍の3年で、われわれは将来を見据えた種まきを多くしてきた。種まきからさまざまな色の花を咲かせる収穫の年にしていくべく、今日からコーセーの一員として新入社員の皆さん自身の強みとなる多様な個性を生かし、われわれと一緒に新たな未来を切り開いていくことを大いに期待している」と訓示した。
ポーラ・オルビスホールディングスは、グループ全体で36人(ポーラ:総合コース15人、販売8人/オルビス:企画職6人/ポーラ化成工業:研究開発4人、生産技術3人)が入社した。今年の入社式は横手喜一ポーラ・オルビスホールディングス社長の意向で、演題を囲むように半円となるよう座席を配置し、新入社員に混ざって横手社長や役員が座る形式で実施した。
横手社長は、「自分らしさとは何かを、今一度考えていただきたい。ポーラ・オルビスグループの仲間となった皆さんが、感受性のスイッチを全開にしながら自分らしさを発揮し、自分らしさを変化させ続けることで、グループが変化していく。そして、その変化の積み重ねが、グループの魅力をさらに磨き上げてくれる、そんな未来を実現したいと思っている。ともに変化していこう」と述べた。今後新入社員は、同ホールディングス主催でグループ合同研修を2日間実施し、その後、各社ごとの研修に移る予定だ。