2022年11月にオープンAIがリリースしたAIチャットボット「チャットGPT」が大きな注目を集めているが、AIはより幅広く活用されている。デザインから広告までファッション産業を根底から大きく変える可能性を秘めている。いずれはコンピューターがクリエイターに取って代わるのだろうか?(この記事は「WWDJAPAN」2023年4月3日号からの抜粋です)
大手テクノロジー企業がしのぎを削っているのは、「ジェネレーティブAI」と呼ばれる新時代の人工知能(AI)の領域だ。テキスト(プロンプト)から出発して、オリジナルのアウトプットを生み出す創造的な人工知能を指す。テキストで質問をすると精巧な回答を生成する対話に適した「チャットGPT」だけでなく、テキストから画像を生成する「ミッドジャーニー」や「ステーブル・ディフュージョン」といったAIも登場しており、業界を根底から覆す可能性を秘めている。
2022年10月に立ち上がったサプライチェーンプラットフォーム「カラ(CALA)」のジェネレーティブAI機能は、「チャットGPT」を開発した米国の人工知能研究機関オープンAIによる画像生成AI「ダリ ツー」を搭載している。こうした画像生成技術は、インターネット上に存在する膨大なイメージをカタログ化し、要素を組み合わせて新しいイメージを作り出す。つまり、簡単な単語の組み合わせを入力するだけで、数秒でデザインを生み出すことができるのだ。
例えば「赤いジャケット」のようなプロンプトで、何百もの画像が生成される。「映画『ファイト・クラブ』のブラッド・ピットが着ているようなジャケット」といったより詳細な説明の入力で、よりイメージに近い画像を生成できる。
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