企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は「ザラ」を擁するインディテックス(INDITEX)の最新決算からコロナ禍前との変化を解説する。
ナンバーワンSPA企業インディテックスの2023年1月期は売上高が前期比17.5%増の325億6900万ユーロ(約4兆5922億円)、営業利益(EBIT)は同28.9%増の55億2000万ユーロ(約7783億円)の大幅増収増益です。売上高が4兆円を優に超えましたから、後を追うファーストリテイリングも水をあけられた形です。営業利益も最高益で、営業利益率も16.9。収益率も最高だった19年並みになったという感じです。
今回一番大きかったのは、ロシアの影響です。前年6477店舗だった店舗数が、5815店舗になりました。つまりマイナス662店舗です。そのうち、ロシアが514。ロシアから撤退したにもかかわらず、売上高を17.5%伸ばしているわけです。
20年1月期が最多で7469店舗ありましたが、計画どおりに小さい店舗を閉店しながら、近隣の大型店に集約して、今、5815店舗。この3年で1654店舗減りました。上表にありますが、コロナ前と直近で閉店店舗が多い国は、ロシア、スペイン、中国の順ですが、何と、日本は4番目に閉店の多い国でした。
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