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J.フロントの百貨店事業18%増収 23年2月期、高額品がけん引

 J.フロント リテイリング(JFR)の2023年2月期連結決算(国際会計基準)は、小売業の売上高に相当する総額売上高が前期比15.3%増の9987億円だった。主力の大丸松坂屋百貨店による百貨店事業が、コロナの行動制限がなくなったことで回復した。引き続きラグジュアリーブランドや時計・宝飾品などの高額品がけん引した。

 売上収益は同8.5%増の3596億円、営業利益が同2倍の190億円、純利益が同3倍の142億円だった。

 百貨店事業の総額売上高は同18.4%増の6579億円。既存店売上高はコロナ前の19年度に比べて2.2%減、18年度と比べて7.8%減まで回復した。ただ店舗によってばらつきがあり、ターミナル立地の大丸東京店や大丸梅田店は戻りが遅い。一方で、固定客に強みを持つ大丸神戸店の売上高は839億円(19年度実績は744億円)、松坂屋名古屋店は1177億円(同1163億円)とコロナ前を上回った。高額品の消費を支える外商売上高は前期比18.0%増の1727億円で、百貨店事業全体の28.7%を占める。

 JFRの今期(24年2月期)予想としては、総額売上高1兆1150億円(前期比14.9%増)、売上収益4130億円(同14.8%増)、営業利益385億円(同2倍)、純利益255億円(同79.1%増)を見込む。百貨店事業の総額売上高は7200億円(同9.4%増)とした。訪日客による免税売上高はピーク時の7掛けの440億円の見通し。外商売上高は2000億円以上を目指す。

 11日に都内で行われた決算説明会に登壇した好本達也社長は、「(コロナを経て)消費の質が変化している。元に戻るもの、戻らないものを見極め、改革のスピードを上げていく」と話した。

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