マッシュスタイルラボは、チェコの画家であるアルフォンス・ミュシャにインスパイアを受けたフレグランスと雑貨の新ブランド「ミュシャ(MUCHA)」を9月にスタートし、ルミネ有楽町店ルミネ1の1階に1号店を出店する。同社の公式EC「マッシュ ストア(MASH STORE)」「ウサギ オンライン(USAGI ONLINE)」でも取り扱う。
ミュシャは19世紀末から20世紀初頭にかけての国際的な芸術運動「アール・ヌーヴォー」を代表する巨匠として知られる。代表作品の「ジスモンダ」に見られるような優美な曲線、繊細な画風が特徴で、女性をモチーフにした数々の絵画や版画を残した。1992年にはその子孫によってミュシャ財団が設立。新ブランドは財団が公認する世界初のブランドとして、マッシュスタイルラボがパートナーシップ契約を結び展開する。
商品構成は、香水のほかボディークリーム、アロマディフューザーなどフレグランス関連が6割を占め、残りがバッグやハンカチなどの雑貨類。1号店を出すルミネ有楽町店ルミネ1の1階は、同社のビューティ業態「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」「メイクアップキッチン(MAKE UP KITCHEN)」のほか「ドゥーズィエムクラス(DEUXIEME CLASS)」「ロンハーマン(RON HERMAN)」などが店を構えるファッション・ビューティの混合フロアだ。
同財団が2017年に主催した「ミュシャ展」(国立新美術館)は66万人を動員するなど、ミュシャの作品は日本でも認知度と人気がある。近藤広幸社長は「歴史的な画家の作品はときに難解なこともあるが、ミュシャは誰もが直感的に『美しい』『すてきだ』と感じられる絵画を残してきた。芸術のための芸術ではなく、人のための芸術を残してきたことは、デザインに携わる一企業としてリスペクトする」とし、「(ブランドの商品では)作品のありのままの魅力を生かしたい」と話す。パッケージやボトルには原画をデザインとして採用するものもあるという。
同社がフレグランスを主軸とするブランドを立ち上げるのは初めてだが、これまで商品カテゴリーの一部として展開してきた「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」や「スナイデル ホーム(SNIDEL HOME)」、ビューティーブランドの知見を生かす。調香は日本とフランスのパフューマーに依頼する。「私たちは、作品を解釈して香りの“イメージ”を彼らに伝える役割に専念することで、既存のフレグランスにはない表現ができるはずだ」と近藤社長。バッグやハンカチも伝統的な素材や技術によりディテールに力を入れる。
今年度中には百貨店などへの出店も計画する。26年8月期までに年間売上高10億円を目指す。