ファッション

マリー・クヮントが93歳で死去 ミニスカートブームをけん引

 英国人ファッションデザイナーのマリー・クヮント(Mary Quant)が4月13日、93歳で亡くなった。彼女の家族が同日、AP通信に声明を発表。「今朝、英サリー州の自宅で安らかに息を引き取った。(彼女は)20世紀で最も国際的に認められたファッションデザイナーの一人であり、“スウィンギング 60s”を代表する革新者だった」と述べた。クヮントは、短いヘムラインと大胆な柄使いで、1950〜60年代の女性のファッションを解放。中でも、丈の短いスカートを「ミニ」と名付けて普及させ、ショーツの一種であるホットパンツを生み出したことで知られる。

 クヮントは30年、ロンドン南東部のブラックヒース生まれ。ブラックヒース高校で美術を学んだ後、ゴールドスミス大学に進学し、53年に卒業した。その2年後にはキングスロードにブティック「バザー(BAZAAR)」をオープン。その名の通り、彼女自身がデザインしたものから、大学時代の友人が作ったアート作品やジュエリーまでさまざまなアイテムを販売していた。ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)やオードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)といったスターが頻繁に訪れた同店は、雰囲気のある店構えと、40年代の戦時中のユーティリティースタイルとは一線を画す刺激的なアイテムによって、すぐにホットスポットになった。

 特に大胆な柄を使ったシンプルなシルエットで人気を博したクヮントのデザインは、「ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)」55年9月号で紹介される。57年、高級百貨店のハロッズ(HARROD'S)などもあるナイツブリッジに2店目をオープンし成功を収め、彼女のデザインは世界的に人気を集めることになる。この頃には、自動車模型からヒントを得て、丈の短いスカートを「ミニ」と命名。 62年には、百貨店のJ.C.ペニー(J.C.PENNY)とライセンス契約を結び、アメリカ市場に進出。さらに60年代後半には、ショーツの一種であるホットパンツを発表。メイクアップやインテリアに転向する前の最後のファッションのクリエイションになった。

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