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「無印良品」を運営する良品計画の2022年9〜23年2月期連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比46.0%減の101億円だった。急激な円安や原材料費の高騰に伴う仕入れコストの上昇が響いた。積極的な出店に伴う先行投資によって販管費もかさんだ。
売上高にあたる営業収益は同15.9%増の2833億円。店舗数は純増72の1144店舗になった。既存店(店舗とEC)の売上高は同6.0%減だった。家具など大型で単価の高い商品の動きが鈍く生活雑貨は9.4%減と足を引っ張った。一方、下落が続いていた衣料・雑貨は昨年秋から実施したMD改革によって同1.8%減と下げ止まりつつある。純利益は50.2%減の75億円で終わった。
13日にオンラインで会見した堂前宣夫社長は「売上高は伸びたが、営業利益額、営業利益率は過去10年で最も低い。為替や原料高で粗利率が落ちている。出店拡大したものの、思うほどの売り上げがとれていない」と総括した。外部環境以外で粗利率を上げるには商品力の強化が不可欠とみる。改善が見られる衣料・雑貨については「ベーシックな服をちゃんとした素材、パターン、デザインで訴求する。(商社任せではなく自社で)原料までさかのぼり、現地の農園と組んでカポックやヘンプ素材を調達した」。衣料・雑貨の3月の既存店売上高33%増と好調だった。
通期(23年8月期)の予想は、売上高が前期比17.9%増の5850億円、営業利益が同8.5%減の300億円、純利益は同24.3%増の186億円。調達コストの上昇と売り上げの伸び悩みに伴い、利益予想を下方修正した。春夏物で約2割の商品で値上げしており、客数を確保できるかが課題になる。