欧州委員会(European Commission以下、EC)は4月18日、複数のEU加盟国に拠点を有する複数のファッション関連企業に対して、反トラスト法に抵触しているかの調査を抜き打ちで実施した。ECによると、価格操作や談合、生産制限などの違反行為の有無を調査しているという。
調査対象となった企業は非公開とされていたが、翌19日にケリング(KERING)は、傘下の「グッチ(GUCCI)」が対象に含まれていたことを認めた。ケリングは19日に発表したプレスリリースの中で「欧州委員会の調査に全面的に協力していく」と述べている。
反トラスト法に違反した場合、全売上高の最大10%の制裁金が科される。ECによると、調査が行われたからといって必ずしも違反行為があるわけではないという。
2021年に実施された抜き打ち調査では、フランスの「ピエール カルダン(PIERRE CARDIN)」とドイツの衣料品メーカー、アーレス(AHLERS)との間で締結されたライセンスおよびディストリビューション契約が調査対象となった。両社は、国境を越えた販売やオンラインによる販売をブロックし、特定の消費者グループへの販売を制限したとして、抜き打ち調査の半年後に正式な調査が開始された。
ECは、今年3月にもフレグランスや香料を取り扱うビューティやフレグランス関連企業に対して抜き打ち調査を実施している。