連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY

ウルトラライトハイキングから広がる想像【エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY】

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※この記事は2023年05月10日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

今週発売の「WWDJAPAN」は、“UL登山”特集。ULとはUltralightの略で、「超軽量な荷物でハイキングを楽しむ方法論」だそうです。

上の記事によると、「超軽量な荷物」の実現には「道具をシンプルにして、自然とまっすぐ向き合うこと」が必要だそう。そこで私は、「“UL登山”は、『断捨離』とか『ミニマリズム』的な思想とリンクするのかしら?」なんて考えたのです。そう思って最新号のページをめくってみると、“ULハイカー”のファッションスナップページでは、20代後半から30代がたくさん登場しています。「断捨離」とか「ミニマリズム」という哲学を実践してきた、いわゆるミレニアル世代です。

ファッションやビューティ業界は、Z世代に比べると、ミレニアル世代に冷めているフシがあります。理由は単純で、「あんまりモノを買わない、と思われているから」でしょう。主語の大きな話はあんまりしたくない気持ちがありますが、Z世代やミレニアル世代は、自分を確立している、もしくは確立しようとしている印象があります。そしてZ世代は「消費は、投票」とか「消費は、社会とつながる行為」と捉え購買行動でも自己を定義づけしようとしているのに対し、ミレニアル世代は自分のテリトリーを重視している印象。ゆえにテリトリーを侵すものは、人のみならず、物さえ受け入れ難いのでは?これが私の、「ミレニアルは消費に消極的と思われている」理由、「ファッションやビューティ業界がZ世代にフォーカスしがちな理由」です。

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