「H&M」は5月11日、銀座並木通りの「エストネーション(ESTNATION)」跡地に国内122店舗目となる新店舗をオープンした。売り場面積は約1300平方メートルで、1、2階をウィメンズ、3階をメンズフロアで構成する。アネタ・ポクシンスカ(Aneta Pokucinska)=H&M北東アジア社長は、同店を「さまざまな新しい施策を実験的に取り入れるラボ的店舗」と位置付け、日本で初めて導入するコーヒーショップやオンライン限定で展開してきたインテリアブランドの「H&Mホーム」の取り扱いなどを通して、顧客体験を充実させる。
「従来の店舗とは一線を画すストアコンセプト」で、ラグジュアリー感のある内装や銀座のファッション感度の高い顧客層に合わせた商品ラインアップを、ゆとりを持たせて配置している点が特徴だ。1階エントランス横のコーヒーショップでは、オーガニックコーヒーやヴィーガンスイーツなどを販売するほか、同じ区画内で「H&Mホーム」の商品を販売する。同フロアでは、協業商品の特設売り場を設け、5月14日までは、「ミュグレー(MUGLER)」とのコラボコレクションを販売。同コレクションに合わせた期間限定のフォトブースなども設置した。
2階のウィメンズフロアは、オフィスカジュアル向けのコレクションやローカル戦略として力を入れる日本および韓国限定商品を大きく打ち出す。レジ横では、回収ボックスを設置し2013年から取り組んでいる古着回収サービスも実施する。3階のメンズフロアではオフィスカジュアル向けのコレクションのほか、ユニセックスで展開するスポーツウエアライン「H&M ムーブ」コレクションを販売する。
銀座には2018年に日本一号店を閉店して以来、5年ぶりの再出店となる。ポクシンスカ北東アジア社長は、「この特別な場所に再び戻ってこられたことをうれしく思う。一号店を閉店以降、再出店のタイミングを模索していた。銀座に客足が戻ってきたこと、最適な物件を見つけられたことが重なり、今回再出店を決めた。コロナを経て、私もいち消費者として、買い物の仕方が変わった。正直以前の店舗のことは考えず、もう一度いま求められている新しい顧客体験を考え直し、訪れたくなるような体験を重視した。ラグジュアリーなイメージがある銀座だが、私たちは“ファッションの民主化”を目指している。この場所で、より手頃な価格でたくさんの人にファッションを届けていきたい」とコメントした。また、日本は特に重要なマーケットであるとし、今後も出店を加速させていくという。