「神は細部に宿る」という言葉があるが、完璧主義者として知られるジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)による作品はその見本と言っていいだろう。デザインや素材に一切の妥協がない仕事ぶりは、ファッションはもちろんのこと、家具やインテリア、そしてホテルやレジデンス、レストランなどのホスピタリティー領域にも及ぶ。4月18~23日に開催されたインテリア・デザインの祭典「ミラノサローネ国際家具見本市(Salone del Mobile.Milano以下、ミラノサローネ)」でホームコレクション「アルマーニ / カーザ(ARMANI/CASA)」の最新コレクションを披露したアルマーニに、米「WWD」が特別インタビューを行った。(この記事は「WWDJAPAN」2023年5月15日号からの抜粋です)
ミラノサローネの期間中、「アルマーニ / カーザ」コレクションの発表の場として、アルマーニはグループの本社を構えるパラッツォ・オルシーニ(Palazzo Orsini)を選んだ。初めて一般公開された同建物の庭園で、テラスや庭での使用を想定した新たなアウトドアシリーズを展示したほか、新作の家具などを「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」のアトリエで披露した。
家具、アクセサリー、テキスタイル、装飾品などを扱う「アルマーニ / カーザ」は2000年に設立されたが、アルマーニが初めてインテリアをデザインしたのは1982年のこと。その記念すべき第1号の作品は、シャープなシルエットのランプだったという。その後、同ブランドは瞬く間に人気を博し、現在はイタリア、フランス、アメリカ、日本など29カ国で40店を展開している。「まあ、何とかやっているよ」と、アルマーニは楽しげに語る。「(ファッション以外のことも手掛けるデザイナーは)多岐にわたる膨大な仕事量を抱えつつ、それぞれに深くコミットし続けなければならない。でも、私はそれを楽しんでいる。思い通りにしつらえた邸宅が誕生する瞬間を目撃できることほど、美しいものはないからね」。
今回の取材は、グループ本社のほど近くにあるアルマーニの自宅で行われた。インテリアの素晴らしさについては言うまでもないが、ヒョウ柄のアームチェアなど、意外性のあるアイテムも。端正で洗練された「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」のイメージとは容易に結びつかないが、これは1930年代のチェアを手直ししたものだという。
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