2023年度「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」のグランプリに「セッチュウ(SETCHU)」が選ばれた。ミラノを拠点とする、日本人デザイナーの桑田悟史が手がけるブランドで、15カ国から集まった約2400通の応募者を抑え栄冠を手に入れた。桑田には、40万ユーロ(約6000万円)の賞金と、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンのエキスパートから1年間の指導を受ける権利が授与される。カール・ラガーフェルド審査員特別賞は「ベッター(BETTTER)」を手がけるウクライナ人デザイナー、ジュリー・ペリパス(Julie Pelipas)とイタリア発「マリアーノ(MAGLIANO)」のルカ・マリアーノ(Luca Magliano)が受賞した。
受賞者はこのほどパリで行われた同賞の10周年記念のセレモニーに出席し、審査員を務めた「ディオール(DIOR)」のマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)やキム・ジョーンズ(Kim Jones)、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、「ロエベ(LOEWE)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)などから祝福を受けた。
桑田は京都に生まれ、セント・マーチン美術大学卒業後は、ロンドンの「ガレス ピュー(GARETH PUGH)」、パリの「ジバンシィ(GIVENCHY)」、ニューヨークの「イードゥン(EDUN)」、ミラノの「ゴールデン グース(GOLDEN GOOSE)」などでキャリアを積み2020年にユニセックスの「セッチュウ」を立ち上げた。多様な文化やクラフトへの深い理解と敬意が反映されたデザインや、折り紙のような構造のジャケットなど和と洋の融合が特徴となっている。
日本人デザイナーのLVMHプライズのグランプリ受賞は、2018年度の「ダブレット(DOUBLET)」の井野将之に続く2人目。