ビューティ

資生堂とヤーマンが手掛ける「エフェクティム」がリフト&透明感にアプローチする美容機器発売 日本市場で出店攻勢

資生堂とヤーマンの合弁会社が手掛けるエイジングケアブランド「エフェクティム(EFFECTIM)」は7月1日、リフトと透明感をかなえる美容機器“ブライト ビューティー リフティング アクティベーター”(11万円)と美容液“ブライト リフティング セラム”[医薬部外品](30mL、1万6500円)を発売する。中国では8月から販売を開始する。

同社はこれまで、顔のたるみなど形状変化に悩みを持つ生活者をターゲットに、全顔用と目元用の2種の美容機器と専用の美容液を展開してきた。一方で「繰り返すシミを根本からケアしたい」「美容医療のレーザーでシミをとっても時間が経てばまた出てきてしまう」という肌のシミやくすみに関する悩みの声も多く、新商品の開発に着手した。

新美容機器は、「リフトモード」と「ブライトモード」が選べる2つのモードを搭載。それぞれに独自のRFとEMS、電気バルス、導入波形、LEDの5つのエネルギーと、アルファベットのEの文字が2つ重なった独自の電極形状を採用。1回6分で2億回(電流の波の数)のエネルギーを肌の深層に注ぎ込み、効果的かつ集中的なケアを可能にした。

新美容液は、資生堂独自の美白成分で同社主力の美白商品にも配合する、肌の深層からシミを防ぐ4MSKをはじめ、オタネニンジンエキスや、希少な日本産の酵母エキスを含むコンプレックスなど21種の美容成分を配合。エイジングケアと美白ケアの2つの機能を発揮し、ハリと透明感のある肌に導く。

エフェクティムは、2020年8月に資生堂とヤーマンの合弁会社として設立。資本金は4億9000万円で出資比率は資生堂が65%、ヤーマンが35%で、翌年「エフェクティム」がブランドデビューした。スキンケアの生命科学エネルギーと、美容機器の物理エネルギーを融合し、スキンケアと美容機器の新習慣を提唱する。現在、東京・銀座のシセイドウ ザ ストア(SHISEIDO THE STORE)本店とマツモトキヨシ銀座みゆき通り店、大阪のマツモトキヨシ心斎橋南店の3店舗、中国は4店舗を展開し、ECでも取り扱う。日本での顧客層は40代を中心に、30〜60代の支持を集める。

ブランドの誕生当時は、中国市場の展開を中心に置き、日本は中国のインバウンド(訪日外国人客)向けに展開していたが、立ち上げ直後にコロナ禍に巻き込まれ計画通りには進まなかった。中国ではKOLによるライブコマースの値引き競争が激しく、中国の巨大セール「W11(独身の日)」で男性美容家の“李佳琦(Austin)”を起用してヒットしたものの、その中で存在感を出すための難易度は高かった。

近藤明子ブランド・マーケティング部長は、「『エフェクティム』は、無茶な安売りは向いていない。研究開発の強みやモノ作りの背景をしっかり伝えて、丁寧にお客さまを開拓していきたいという思いから、戦略を練り直した」と述べ、まずは日本市場での知名度を上げるべく、21年末に俳優の高岡早紀をブランドアンバサダーに起用(現在契約終了)するなど、タッチポイントの拡大に注力している。昨秋は、伊勢丹新宿本店や神戸阪急でポップアップを開催し、「1回で“効果実感”が得られるので、体験者のうち15%が購入につながった」と好感触だった。当初の売上構成比は中国が9割を占める計画であったが、22年の実績は中国が7割、日本は3割だった。

「日本ではリアル対面でしっかり説明ができ、体験が重要だと再認識した」と、7月からは全国の化粧専門店約120店舗での導入を予定する。一部の店舗では、独自の3D肌解析サービスを実施しているが、今後の店舗には導入予定はないという。「肌診断は興味を持たれるが、購入にはつながらない。今後は、購入後のサポートとしてイベントなどで活用していく。美容機器は継続してもらうことが大切。中長期的にその人の肌の状態を見て、継続的にサポートしていくという、いわゆる『エイジングマネジメント』のサービスを提供できるように努める」。

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