代々木上原駅前に、クリエイティブスタジオの301がブランディングとコミュニティ形成に関わる小規模商業施設、CABO uehara(カボ ウエハラ)が誕生する。同施設は、職・住・遊の融合をコンセプトとしており、1階には飲食店やギャラリー、書店などを、2〜5階にはさまざまな用途を選択できるオフィス区画とミニマルなライフスタイルに適応した住居区画を有する。6月26日から順次開業している。
挑戦する人が集まる、商店街のような空間
一般に解放するのは1階で、コーヒーやカクテルを代々木上原で提供してきた、301が手掛けるNo.(ナンバー)がブックストアを併設してリニューアルオープンする。また、目黒の人気レストランKabi(カビ)とその姉妹店である日本橋兜町のcaveman(ケイブマン)からそれぞれ独立したチームによるレストラン&ワインバーUkiyo(ウキヨ)が出店する。2店の内装設計は、Kabiや東京都渋谷区幡ヶ谷のflowなど、人気店の設計も手掛けた、長田篤が主催するMILESTONEが担った。
そのほか、駅周辺で営業を続けた最後の書店が閉店したことを受けて生まれた“老若男女が楽しめる街の本屋”を目指す書店や、地域に根ざした不動産仲介会社、トルティーヤ工房、中国茶と陶器を扱うギャラリーなど、多様なショップが軒を連ねる。
2階のオフィス区画は、数名規模の小さなスペースから、2〜30人規模の大きなスペースまで用意している。すでにほとんどの部屋の入居者が決まっており、デザイン会社などが主だという。
ブランディングを手掛けた301の上村直人プロデューサーは、「建物を見た時に、ここで来た人が昼間からワインを飲んでいるような画が作れたら面白いと思った」と語る。「全部飲食店になってしまうと普通の商業ビルになってしまう。せっかく駅近の裏路地という立地なので、これから新しく挑戦をしていく人たちが集まる、商店街のような空間を作りたかった」という。
Kabi出身チームのレストランUkiyoは
ナチュラルワインからクラシックワインまでを扱う
Ukiyoはコース料理を専門に営業する。バーカウンターも用意し、コースが終わったあとに立ち寄れるカジュアルなワインバーの機能も備える。しばらくは夜間の営業がメーンだが、ランチタイムの営業も検討しているという。
竹内直人Ukiyoオーナーソムリエは、店が目指すイメージについて語った。「僕はKabiで働く以前はクラシックな料理店で働いていた。Kabiのオープンによってレストランシーンはカジュアルな方向性になり、新しい風を吹かせられた感覚があった。一方で、もう一度レストランらしいレストランを作りたいという気持ちも芽生えた。Ukiyoでは、ナチュラルワインからクラシックなものまで幅広く取り扱う。料理は、こだわって選んだ食材の味を生かして、炭火焼きで調理する。当たり前のことをしっかりやっていきたい」。
窓口になる代々木上原のNo.は
多様なゲストの交差点を目指す
リニューアルオープンしたNo.では、日中はバリスタが作るコーヒーや料理を、夜はカクテルを提供する。大谷省悟No.オーナーは、これまで目指してきたビジョンを「人と人とが出会い自由に語らう生活空間と、会話から生まれたアイデアを形にしていく仕事空間が絶妙なバランスで融合している場所」と説明する。リニューアルによって、より多様なゲストが交差するコミュニティープレイスを目指し、ブックストアやテラス席を設けた空間、時間帯ごとに開発した新メニューなど、随所にアップデートを施した。
モーニングタイムは、三軒茶屋のクロワッサン専門店plat(プラット)のクロワッサンとシナモンロール、Raw Suger Roast(ローシュガーロースト)のコーヒーなどを、ランチタイムにはデリプレート3種類とガパオライスなどを用意する。カフェメニューにおいては、東京・中目黒に店を構えるCHIYA-BA(チャバ)とコラボしたオリジナルブレンドティーとチャイが新登場する。
ディナータイムには、バー初心者に向けて開発したレモンサワーやオリジナルのネグローニ2種類などを用意し、ゲストのカクテル体験を演出する。また、レモンサワーと合わせて楽しめるカツサンドや〆のラーメンも登場する。
CABO uehara
住所:東京都渋谷区上原一丁目32番3号
公式サイト
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