LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)は6月27日、中国・北京を訪問した。
同氏はコロナ禍後初となった今回の訪中で、高級百貨店のSKP北京、商業施設のチャイナ・ワールド・モール(China World Mall)とWFセントラル(WF Central)を訪問。LVMHが擁する「ディオール(DIOR)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「フェンディ(FENDI)」「ブルガリ(BVLGARI)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」などの店舗を視察した。
中国版インスタグラム「シャオフォンシュウ(Xiaohongshu、小紅書、通称RED)」のユーザーによる投稿によれば、アルノー会長兼CEOの長女でクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)の社長兼CEOなどを務めるデルフィーヌ(Delphine Arnault)と、四男でルイ・ヴィトンのウォッチ部門マーケティングおよびプロダクト・ディベロップメント・ディレクターを務めるジャン(Jean Arnault)に加えて、ピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)=ルイ・ヴィトン会長兼CEOやLVMHの経営幹部らが同行。一行は特に「ディオール」で長時間を過ごしたほか、LVMHの傘下ではない「エルメス(HERMES)」にも立ち寄ったという。なお、LVMHはアルノー会長兼CEOらの旅程について明らかにしていないが、中国のさまざまなSNSによれば、北京のほかに成都、上海、香港を訪れたようだ。また、メディアへの登場回数も多く、ブルームバーグ(BLOOMBERG)や「フォーブス(FORBES)」による世界長者番付で常に上位にランクインしているアルノー会長兼CEOの訪問とあり、一目見ようと足を止める買い物客の様子も投稿されている。
中国市場はコロナ禍中、厳しい外出規制などの影響で減速したものの、2023年に入って急激に回復しており、ラグジュアリーブランドにとって引き続き重要な市場だ。2月には、「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼CEOが中国を訪問。また、4月に中国の王文濤商務相が訪仏した際には、パリの「ディオール」本店でアルノー会長兼CEOをはじめとするLVMHの経営陣と会談している。