ファッション
連載 SNSトレンドに、業界は「どうする」? 第47回

Vol.47 カスタマイズ?パーソナライズ?欲しいのはどっち?【SNSトレンドに、業界は「どうする」?】

有料会員限定記事

「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。今回は、フィンランドのマクドナルドの話から、カスタマイズやパーソナライズの話になった。

ソーシャルエディター津田:最近、「フィンランドのマクドナルドがZ世代の雇用を増やすため、“McDrip”という従業員限定のファッションラインを作ったらしい」というツイートがバズっているのを見かけました。調べてみると、フィンランドを拠点とする新進気鋭のストリートウエアブランド「ヴェイン(VAIN)」が、同国のマクドナルドとコラボレーション。使い古した制服をアップサイクルしたコレクションを発表し、従業員専用の制服として制作するそうです。社内の抽選で当選した、従業員にのみ提供するとのことでした。“ワークウエアを再解釈”という言い方をするとファッションショーのテーマのようですが、なんと実際ショーも開催。TikTokでライブ配信したり、Instagramのリールでも22万回も再生されていたりとバズっています。コレクションの発表自体は2022年11月ですが、日本では半年遅れで話題になりました。

このコラボレーションは、マクドナルドが人材難に苦しむファストフード業界の中で、Z世代に労働力として参加してもらうために考えた戦略でした。私もそうですが、Z世代には単に商品を購入するのではなく、ブランドに賛同したいと考えている消費者が多いと思います。そのためZ世代の多くが興味を持っている“服”と、地元で人気の新進気鋭のファッションブランドを掛け合わせ、仕事に応募することでしか得られないものとして作り、会社の一員になりたいと思わせました。現にリーチやメディアへの露出は倍増し、求人への応募も従来比63.0%と増加したそうです。ファッションを起点に他業種の話題でもバズが生まれていると嬉しくなりますね。


記者村上:ユニホームはもちろん、企業風土を感じる“お揃いファッション”って、組織の団結力を高めるためにうまく活用している企業が多いですよね。わかりやすいのは、新興IT企業が作るTシャツやキャップ、ステッカーあたりでしょうか?側から見ると「なんで企業のロゴが入ったTシャツなんて着るの?」って思いますが、その考えは、当事者になれば変わるでしょう。私も、かつて作った「ファッションニュース」と「ビューティフル ピープル(BEAUTIFUL PEOPLE)」のコラボキャップは今も大切に持っているし、「WWDJAPAN」のロゴ入り缶バッジは机の中に潜んでいます(笑)。

この続きを読むには…
残り2208⽂字, 画像2枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

BEAUTIFUL PEOPLE x ファッションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。