「トム フォード(TOM FORD)」は、9月に開催予定のミラノ・ファッション・ウイークで、2024年春夏コレクションを発表する。今年4月、創業デザイナーであるトム・フォードの退任に伴い、同ブランドのメンズウエア部門シニア・バイス・プレジデントを務めていたピーター・ホーキンス(Peter Hawkings)が新たなクリエイティブ・ディレクターに就任。今回のコレクションが、ホーキンス新クリエイティブ・ディレクターのデビューコレクションとなる。
「トム フォード」は05年の設立。同年にエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)と提携し、ビューティを扱う「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」を立ち上げたほか、イタリアの大手眼鏡企業マルコリン(MARCOLIN)とライセンス契約を締結してアイウエアを発表。10年にウィメンズに進出し、17年にはアンダーウエアとウオッチもスタートした。22年11月、ELCがトム フォード インターナショナル(TOM FORD INTERNATIONAL以下、TFI)から「トム フォード」とその知的財産権を買収。23年4月、トム自身が手掛ける最後のコレクションとなった23-24年秋冬ウィメンズ・コレクションを動画形式で発表した。なお、TFIのCEOも務めるトムは、23年末までクリエイティブ・ビジョナリーとしてブランドに携わるという。
また、ELCはホーキンス新クリエイティブ・ディレクターの任命と同時に、トム フォードの新たな社長兼最高経営責任者(CEO)として、トム フォード ビューティとバルマン ビューティの社長を務めていたギョーム・ジェセル(Guillaume Jesel)を任命した。
ホーキンス新クリエイティブ・ディレクターは、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校(Central Saint Martins)を卒業後、1988年にトム・フォード時代の「グッチ(GUCCI)」でキャリアをスタート。2006年に「トム フォード」に加わり、メンズウエア、アイウエア、バッグやシューズなどのレザーグッズ、ジュエリーのデザインに携わってきた。同氏は、「『トム フォード』のクリエイティブ・ディレクターに任命され、ブランドの未来に向けた次章を描くことを手伝う機会を与えられてとても光栄だ。私たちはイタリアの素晴らしいクラフツマンシップに常にインスパイアされてきたので、ミラノ・ファション・ウイークでコレクションを披露できることを大変嬉しく思っている」と語った。
ジェセル新社長兼CEOは、「ピーターは最も熟達したメンズウエアデザイナーの1人だ。トムの下で長らく経験を積んできたことや、品質への強いこだわりなどを鑑みるに、トムの伝説的なクリエイティブのビジョンを未来へとつなげていくにあたってピーターほど完璧な人材はいない」と述べた。
なお、今回のミラノ・ファッション・ウイークでは、今年1月に任命された「グッチ」のサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)新クリエイティブ・ディレクターも初コレクションを発表する予定。