米フレグランス大手のインターパルファム(INTER PARFUMS)は、「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」と7月6日付けでフレグランスおよび関連製品の製造・販売に関するグローバル・ライセンス契約を締結したと発表した。同ライセンスは「ジャスト カヴァリ(JUST CAVALLI)」も含み、伊フィレンツェに本部を置きビジネスを展開する。
ロベルト・カヴァリのセルジオ・アゾラーリ(Sergio Azzolari)最高経営責任者は声明で、「フレグランスとビューティ製品は、より多くの顧客にリーチするための重要な柱だ。インターパルファムはグローバルな卓越性と能力、そしてイタリアのラグジュアリービジネスに対する深い理解を兼ね備え、ブランドの成長をサポートしてきた大きな実績がある。これ以上のパートナーはいない」と述べた。
「ロベルト カヴァリ」のライセンスはこれまで、コティ(COTY)が保有していた。業界筋によると、ビジネス規模は全世界で約4000万ドル(約56億円)と推定されている。インターパルファムのジャン・マダル(Jean Madar)会長兼最高経営責任者はこの数字についてコメントしなかったが、「遠くない将来、事業を倍増」させることに自信を見せた。
インターパルファムは昨年、年間売上高が10億ドル(約1400億円)の大台を突破した。2023年度第1四半期の売上高は前年同期比24%増の3億1170万ドル(約43億6380万円)で、通期売上高は12億5000万ドル(約1750億円)を見込む。
マダル会長は、「『ロベルト カヴァリ』はアラブ首長国連邦、サウジアラビアはじめ中東で非常に認知度が高い」と述べ、中東とヨーロッパ、将来的にアメリカにも大きなビジネスチャンスがあるとみている。「われわれは既存商品は一切変えない。来年の2つのライン拡張を皮切りに、25年に大型の新作を予定する」。
マダール会長が強く期待するのは、「ロベルト カヴァリ」の美のコードだ。「アニマルプリントやヘビ、ヒョウなどのイメージを築き上げてきた。今はミニマリズムの時代だが、多くの人が華やかさや豊かさを求めている」。
ロベルト・カヴァリは、ドバイの不動産会社ダマック・プロパティーズ(DAMAC PROPERTIES)の創設者兼会長であるフセイン・サジワニ(Hussain Sajwani)が、個人投資会社を通じて19年にイタリアの投資会社クレシドラ(CLESSIDRA)から買収した。