ビューティ
連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第120回

加熱する美容機器市場、三者三様の戦略を見る

有料会員限定記事

ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。 今週は、美容機器メーカーなどが手掛ける高価格帯の美顔器の話。

【賢者が選んだ注目ニュース】
ヤーマンが日本初のAI美顔器“ハケイ”を発売 2万点以上の化粧品データを集積
資生堂とヤーマンが手掛ける「エフェクティム」がリフト&透明感にアプローチする美容機器発売 

弓気田みずほ ユジェット代表・美容コーディネーター プロフィール

(ゆげた・みずほ)伊勢丹新宿本店化粧品バイヤーを経て独立。化粧品ブランドのショップ運営やプロモーション、顧客育成などのコンサルティングを行う。企業セミナーや講演も。メディアでは化粧品選びの指南役として幅広く活動中

「おうち美容」の盛り上がりに端を発した美容機器の需要は今も拡大を続けている。昨年の年末商戦以降、「三大美容機器ブランド」のパナソニック、MTG、ヤーマンから相次いで6万~7万円台の上位機種が発売され、三つどもえの様相を呈している。しかし、各ブランドの戦略はそれぞれ異なった軸を持つ。今回はその背景をひもといてみたい。

美容家電で商習慣を変えるパナソニック パナソニックは2020年以来、一部のカテゴリーで値引きを行わないメーカー指定価格での取引を始めた。昨年からはカテゴリーの拡大を加速し、国内市場の2割を定価販売商品にすることを目指している。中でも美容家電は先行して定価販売を行っていたカテゴリーであり、高価格・高付加価値ラインの「パナソニックビューティプレミアム」を東京・大阪のショールームや一部百貨店で展開し、ユーザーとのコミュニケーションを図ってきた。昨年からプレミアムラインの後継として販売する“アドバンスドライン”の主力商品である“バイタリフト RF”は、「1台9役」をうたう多機能型美容機器。田中みな実をCMに起用し、美容高感度層へのアプローチを強めた。

パナソニックは従来の値引き販売から脱却し、高付加価値商品の定価販売を行うことで商品サイクルを延ばすという、家電業界の商習慣を変える命題を背負っている。美容家電はいわばその先鞭であり、ユーザーと直接コミュニケーションを取る販売方法もその一端といえる。パナソニックにとって、美容家電は将来の家電メーカーの在り方を見据えた戦略商品といえるだろう。

この続きを読むには…
残り1253⽂字, 画像0枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。