日本最大級のファッション展示会「FaW TOKYO(ファッションワールド 東京)2023 秋」が10月10~12日、東京ビッグサイトで開かれる。昨年開催の1.5 倍以上となる1150社が出展し、来場者は2万7000人を見込む。ユニークなモノ作りに取り組む国内外の新鋭ブランドが一堂に会するのみならず、業界の最新トピックをキャッチアップする貴重な機会になる。今年は「進化するウエルネスファッション」と「繊維の資源循環」が目玉だ。
アート×ファッション、男性の体型カバー
ユニークな発想を
形にするブランド
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小さな規模ながら、既成概念を超えたクリエイションに挑戦したり、思わぬ課題解決の発想を形にしたりするブランドに出合えるのも「FaW TOKYO」の醍醐味だ。アーティスト、デザイナー、レザーのトリオで会社を運営するアンブル(大阪府)は、3人で共同運営するアートプロジェクトから生まれた、まるでアート作品のようなバッグを出品する。体形に悩む男性に向けた“コンプレックスカバーメンズファッションブランド”をうたうのは、HLM(大阪府)が運営する「パテ(PUTTY)」だ。生地を2重にすることで体型の膨らみや透けを隠すTシャツなどがそろう。
自然由来素材や美容効果
ウエルネスファッションが充実
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心身を充実させてくれるウエルネスファッションは近年、業界のホットトレンドだ。「FaW TOKYO」でも自然由来の素材を使用したもの、着るだけで美容ケアになるものなど、バリエーションも豊富。老舗ニットメーカーのコムト(東京都)はイタドリやヨモギ、柿の葉を練り込んだ繊維を使い、免疫や美容をサポートするアシンメトリーデザインのトップスを出展する。アルトスター(群馬県)は、特許取得済みの特殊繊維「セルソリューション®︎」を使用した「衣料化粧品」シリーズが面白い。摩擦と体温で繊維がビタミンEを放出し、肌のUVケアや保湿が期待できるという。
繊維をどう循環させる?
サステナビリティは
次のステージに
サステナビリティは、もはやファッションビジネスに取り組むすべての企業が念頭に置く必要がある。衣料品廃棄をなくすことは業界全体の課題だが、繊維レベルで資源を循環させることが解決への大きな一歩になる。今回の「FaW TOKYO」ではサステナブルファッションEXPO内で、「繊維の資源循環フェア」を実施。展示するサーキュラー・リサイクル繊維には、竹、りんごを再利用し、10年の耐久試験をクリアしたレザーライクなテキスタイルや、使用済みのユニフォームを再資源化するプロジェクトなどがある。そのほかにも最先端の回収・分別・再生システム、トレーサビリティや環境負荷軽減につながる生産・流通管理システムなどを紹介する。
Z世代と企業がディスカッション
サステナビリティは
サーキュラーエコノミーの未来を描く
会期中には、日本繊維製品消費科学会がコーディネートする、ファッション関連企業と大学生によるディスカッションセミナーを実施する。ゴールドウイン事業本部ニュートラルワークス事業部長の大坪岳人氏、東レ ファイバー・産業資材事業部門 部門長 兼 繊維CE戦略室 室長の赤江宏一氏が登壇し、学生と意見交換する。今後の業界におけるサーキュラーエコノミーをどう作っていくべきなのか。学生の率直な意見や疑問を交えながら展望を描く。
RX Japan FaW TOKYO(ファッションワールド)事務局