ロクシタン インターナショナル(L’OCCITANE INTERNATIONAL)が株式非公開化を検討していると米ブルームバーグ(BLOOMBERG)が報じた。同社の株式の70%以上を保有するライノルド・ガイガー(Reinold Geiger)取締役会長が、香港に上場している株式を少数株主から買い取る可能性があるという。同社の時価総額は335億香港ドル(約5979億円)。
同社の2024年3月期第1四半期決算は、売上高が現地通貨ベースで前年同期比24.5%増の5億200万ユーロ(約783億円)だった。21年に買収したブラジル発のボディーケアブランド「ソル デ ジャネイロ(SOL DE JANEIRO)」と、中国における「ロクシタン」が順調に成長していることが寄与した。地域別では、アメリカは「ソル デ ジャネイロ」がけん引し同57.5%増、APACは中国市場がけん引して同11.2%の成長を記録した。
アンドレ・ホフマン(Andre Hoffmann)副会長兼最高経営責任者(CEO)は、「私たちは、中国市場の回復が予想より遅れていること、主要市場における持続的なインフレ、為替の逆風など、マクロ経済が不安定なことに留意している。とはいえ、24年度の見通しは慎重ながらも楽観視している。『ロクシタン』の主要市場・チャネルにおけるマーケティング投資の拡大と、『ソル デ ジャネイロ』や22年に買収した豪スキンケアブランド『グロウン アルケミスト(GROWN ALCHEMIST)』のAPACおよび世界のトラベルリテール市場への参入など新ブランドの成長が支えている」と説明した。ポートフォリオには、仏発「メルヴィータ(MElVITA)」、英高級スパ・スキンケアブランドの「エレミス(ELEMIS)」、韓国発の「エルボリアン(ERBORIAN)」、米国のメイクアップブランド「ライムライフ バイ アルコーン(LIMELIFE BY ALCONE)」、そして20年に立ち上げたグループ発のスタートアップ「デュオラボ(DUOLAB)」がある。
クリーンビューティ市場に進出するため、ロクシタン グループ(L’OCCITANE GROUP)」は19年1月に「エレミス」を約9億ドル(約1242億円)で買収。21年11月には「ソル デ ジャネイロ」の過半数株式を4億5000万ドル(約621億円)で取得。続けて22年3月、「グロウン アルケミスト」の株式の過半数を約5000万豪ドル(約46億円)で取得した。
また、アジア市場での成長機会を捉えるため、20年に香港証券取引所に上場した。同社は香港に上場した最初のフランス企業となった。