テーラードジャケットには繊細なレースのパイピングを施し、チャイナドレスとジャケットが融合したトップスを披露した。基本はメンズウエアだが、スカートなどはウィメンズの品番があるという。ジェンダーレスな提案は、ここ数シーズン続けている「ミキオ サカベ(MIKIO SAKABE)」。今季はストリートの要素を抑え、モードへの転換を狙ったようだ。カットソーやスウェットのレイヤード提案はない。一方、インナーの上にスーパーショート丈のニットやジャケットを重ねたほか、ビッグシルエットのコートも特徴。シルエットのバランスで遊ぶのは、袖を引きずるほどデフォルメしたブルゾンにまでエスカレートする。「生地にさまざまな字体をプリントしたり、ロココ調の装飾を取り入れて、とにかくミックス感を表現したかった」とデザイナーの坂部三樹郎は語る。メンズウエアながら、女性の匂いを醸し出す微妙なラインを表現。脚を露出したジョギングパンツに透けるチュールを合わせるあたりは、露出に対する男性の恥ずかしさを表現したのだろうか。柔らかいレースやチュールを多用し、細かいチャームを配したニットもある。"カワイイ"だけのメンズではない、考えさせられる特異なコレクションだ。