ファッション

「バレンシアガ」2014-15年秋冬パリ アレキサンダー・ワン得意のニットにフォーカスし本領発揮

 アレキサンダー・ワンによる3シーズン目の「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は、ワン自身が好きなアイテムでもあるニットにフォーカスした。得意のスポーツウエアをベースにしつつ、アトリエの力を借りてさまざまな実験的アプローチを試みるスタンスは引き続き。その内容は一層充実しており、メゾンとの良好な関係がうかがえる。

 きれいな黄色のファー付きダッフルコートは、ケーブルニットをラテックスでカバーしたもの。首元だけニットで切り替えたレザーのワンピースはよく見ると部分的にウールで刺繍をしてあるという、凝りようだ。ほかにも、ニットとサテン、ニットとファーなど異素材を組み合わせたアイデアが豊富。見るからに高度なクラフトワークを要するアイテムだけではなく、シンプルな素材を使用しつつ、フォルムの形成にこだわったニットアイテムも充実しており、このあたりは特に売りにつながりそうだ。

 フォルムのポイントは丸みを帯びた肩のライン。身頃と袖を一体化させた、クリストバル・バレンシアガ流であり、ダイビングスーツ風でもある独特のフォルムが多くのトップスに採用されている。時にはそのフォルムを強調するように太いジッパーを首から袖にかけて配していることもあり、強い印象のデザインだが、肩には丸みを、肩甲骨辺りには少しの緩みを持たせることで女性らしさを引き出している。

 時にはクロコダイルのグローブをはめた手でバッグを複数持ってウォーキングし、バッグへ本腰を入れることもアピール。カーフやファー、クロコを使ったショッピングバッグ風のシンプルなデザインは、クールなシルバーのワイヤーの持ち手を採用し、ここにもワンの個性が反映されている。

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