ファッション

「ケンゾー」2014-15年秋冬パリ クチュールライクな装飾を加えたコンテンポラリーウエア

 「ケンゾー(KENZO)」は、先のプレフォールコレクション、メンズコレクションから続く、デヴィッド・リンチからインスピレーションを得た3部作の最終章となるコレクションを発表した。今回は、人の顔をデフォルメした不気味で巨大なオブジェを始めとするセットデザインとショーで使う音楽をデヴィッド・リンチが手掛けている。会場では、いつものタンブラーではなく紙コップのコーヒーとポップコーンが配られ、映画館で作品を見るような演出で観客を迎えた。

 使用したモチーフは、メンズ同様、工具を組み合わせて作る"モンスター"や、散らばったガラスの破片に映り歪んだ山々、壊れた床のジグザグ模様などさまざま。カラーパレットにも"ルナ・ライム"や"ローラ・ライラック"などリンチの作品の登場人物にかけたものを用いるなど、随所にリンチの世界観を投影した。ただ、今季は、それらをプリントやジャカードで表現するだけでなく、プリントの上に同じ柄のチュールを重ねたり、スパンコールや刺繍の立体的な装飾で描いたりとクチュールライクな手の込んだ技法で、シャープなテーラリングアイテムやフレアシルエットのドレス、タイトなニット、オーバーサイズコートなどにのせた。

 また、細身のスーツにネオプレンのフレアスカートを合わせたり、中綿の入ったボリューム感のあるセットアップのウエストを太いベルトで絞ったり、コンパクトなセーターの上にボリュームのあるフレアドレスを重ねたり、スタイリングでみせるボリュームのコントラストもポイントだ。

 日本では、今シーズンから、八木通商がケンゾー パリと設立した合弁会社ケンゾー パリ ジャパンがディストリビューションを行なう。今後のブランドビジネスの動向にも注目したい。

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