ファッション

「シブリング」2015年春夏ロンドンメンズ 90年代の集大成‼グランジ、チーマー、そしてジェンダーレス

 「シブリング(SIBLING)」の2015年春夏メンズ・コレクションは、日本で言うところの「チーマー」、街に溢れる、ワルには徹することのできない青春期の若者が男性像だ。

 ワルのムードは、クロシェ編みで作り、時には花まであしらっているのに、ボディコンシャスなシルエットとシャビー(ボロボロ)な加工を加えたため、男クサいモトクロスパンツとブルゾンなどから醸し出されている。一人のボスを崇拝する体制を否定するチーマーは、全員が同等の存在。そんな事実を匿名性へとつなげ、洋服に大きなフードを配して顔を隠せるようにしたり、そもそもヘッドピースをつけてモデルの顔を見せなかったり。特殊な編み方で作った突起を持つボレロや、ビスコースをくくりつけたフェイクファーのようなニットで作るアイテム群は、「縄張り争い」する動物とチーマーを結びつけた生まれたもの。ビスコースは一束ごと、手編みでニット本体に絡めるクラフツマンシップの結晶だ。それを敢えて汚く見せるグランジのテイストは、トレンドとして台頭した90年代の象徴的アイデア。エプロンのようにスカートを履く、ジェンダーレスな発想も根底に流れている。これもまた90年代だ。

 15年春夏ロンドンメンズは、15年プレ・スプリングとともに発表された。プレは、今回が初めて。ニットという単品に特化していたブランドは、デニム、そしてプレコレと着実にビジネスを広げている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。