ファッション

「トッズ」2015年春夏ミラノ 少しずつ確実に増える”エターナル”なワードローブ

 自宅に招くように、招待客を心地よい環境でもてなすのが「トッズ(TOD'S)」のショーのスタイル。今シーズンは建物の中に、一日限りのプライベートガーデンを創出した。ランウェイは、敷き詰めた白い小石とライラック色のタイル。客席は座り心地のよい上質なソファー。例年以上に過密スケジュールが進行しているミラノ・コレクションの合間にホッと一息をつく時間が流れた。

 ライラック、白、グリーン・ブルーなどの色や、緑のアーチや大きな鏡に採用した曲線など、インテリアに見る色と形のグラフィカルな構成は、そのまま服やバッグのデザインにつながっている。グリーンからブルー、グレー、白にかけてのカラーパレットや、葉のモチーフ使いがコレクション全体にオーガニックな印象を与える。

 深いVゾーンのミニドレス、カットソーとキュロット、ライダースジャケット、パンツスーツなどアイテムはスタンダードなものばかり。コットンのように見えるシルクや、レザーのようなナイロンなど、見た目を裏切る素材使いや、レザーカットやパンチングといった加工技術がスタンダードアイテムを新しいワードローブとして昇華する。特にレーザーカットの技術はポイントで、レザーに穴を開けたり、スカートの裾を円形にカッティングたりすることで、ミニマムな中に柔らかさを加えている。エプロンを巻くように、レザーを結んで着こなすドレスが印象的だが、それも非常に柔らかいレザー使いとカットワークがあるから実現するものだ。

 アレッサンドラ・ファッキネッティがデザイナーに就任して3シーズン目。来場者の女性の多くは、過去2シーズンのコレクションを身につけている。2015年春夏のコレクションはそんな来場者たちが今すぐレイヤードしても違和感がなく溶け込み、少しだけ新しいムードを加えそうだ。フェッキネッティが提案する“エターナル”なワードローブはゆっくりとだが、丁寧に少しずつ確実に幅を広げている。バッグは3つの新しいデザインが登場。巾着型などよりトレンドを取り入れたものもある。シューズは、安全ピンをモチーフにしたものが新しい。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

来シーズン、シャツをどう着る?メンズ47ブランドの推しスタイルを紹介 26年春夏メンズ・リアルトレンド特集

「WWDJAPAN」12月8日号は、2026年春夏シーズンのメンズ・リアルトレンド特集です。この特集は、国内アパレル企業やセレクトショップのクリエーションの“今”を捉えるために、毎シーズン続けている恒例企画です。今回は特に、「シャツの着こなし」に焦点を当てました。夏の暑さがますます厳しくなる影響もあり、26年春夏の欧州コレクションでは、シャツの見せ方がより自由で軽やかになり、着方そのものがクリエー…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。