ファッション

「マルニ」2015年春夏ミラノ 多彩な素材や柄のコントラストで描くブランドの美学

ブランド設立20周年を迎えた「マルニ(MARNI)」の今季のテーマは、音楽で「だんだん強く」を意味する「クレッシェンド」。その言葉通り、次第に華やかさを増していくショー構成とアイテムで、ルーツをたどりながら、進化を続けるブランドのスピリットを表現した。

ファーストルックは、オーガニックな風合いのコットンキャンバスで仕立てたオフホワイトのドレス。柔道着の帯のようなベルトでウエストをマークすることで、ハリのある素材が描くオーバーサイズシルエットにメリハリをつけ、大ぶりなアクセサリーとアーキテクチュアルなデザインのサンダルでアクセントを加えている。その後も、序盤は白からトープと黒をベースに、生地を垂らしたり、ラッフルやプリーツを配したりして装飾を加えたアシンメトリーかつ構築的なスタイルに終始した。

中盤からは、そこにピンクやシアン、カーキが加わり、さらに色とりどりのフラワーモチーフが開花。プリントやジャカード、刺繍だけでなく、ラフィアやスパンコールで描いた装飾、多色のレザークラフトなど、あらゆる手法でウエアを彩った。中でも最も印象的だったのは、幾重にも重ねたシルクシフォンを縦向きに縫い付け、それを短くカットすることでファーのモザイクのように仕立て花柄を表現したコートやスカート。コーディネートには、スニーカーソールの厚底サンダルや登山用ロープのようなひも状のベルトやネックレスを用い、スポーティーなムードを演出している。

また、今回特筆すべきは、ショーに登場したアイテムの中には、実は素材を変えただけの同じアイテムがいくつもあるということ。例えば、同じアシンメトリーのスカートが前半には素朴なキャンバスとトワルのはぎ合わせで登場し、後半にはラフィア×オーガンジーのボンディングやに素材を変えて再び登場した。そして、序盤のトープ×オフホワイトのキャンバスのドレスと中盤のカラーブロッキングが印象的なビスコースのドレスも同じデザインだ。同じパターンを用いても素材が違うだけで、描くシルエットだけでなく、そこから受ける印象もまったく異なるものになる−−−−−。そんなことを実感させられる秀逸なコレクションだ。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

27メディアが登場、これが私たち自慢の“ナンバーワン”【WWDJAPAN BEAUTY付録:化粧品専門店サバイバル最前線】

11月25日発売号は、毎年恒例のメディア特集です。今年のテーマは "ナンバーワン"。出版社や新興メディアは昨今、ウェブサイトやSNSでスピーディーな情報発信をしたり、フェスやアワードなどのイベントを実施したり、自社クリエイティブやIPを用いてソリューション事業を行ったりなど、事業を多角化しています。そのような状況だからこそ、「この分野ならナンバーワン!」と言えるような核を持てているかが重要です。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。