嗅覚の鋭いブランドだからこそ、ウィメンズで先行し、今シーズンはメンズへの波及が間違いない1970年代のムードを取り入れるのは、当然の選択だったのだろう。「トップマン」のコレクションライン「トップマン デザイン(TOPMAN DESIGN)」の15-16年秋冬は、70年代を思わせる、ハイウエストで9.5分丈のスリムなフレアパンツが目白押し。ここにコンパクトで首の詰まったジャケットを合わせ、レトロな時代感をさらに強調した。
そこに加えたのは、トライバル模様で表現するオリエンタリズムや、分かりやすいタータンチェックで描く英国トラッド、ゴートファーを多用したマウンテンブルゾンなどで描いたアウトドアのムードや、反対にフリンジ付きのコンパクトなトップスで表現したロックなど、あらゆるテイスト。メンズなら90年代の"ノームコア"、ウィメンズなら70年代の"ヒッピー"以外に力強いテイストが台頭しない、今の雑多な時代感を表現したコレクションのようだ。さぁ、70年代の次に来るのは、今度こそオリエンタルか、英国トラッドやアウトドアテイストの復活か?それとも、勢いを増す「サンローラン」がけん引しているロックマインドなのか?奇しくも15-16年秋冬メンズのトップバッターを務めた「トップマン デザイン」は、無数にあるテイストを複数に絞り込み、ネクスト・トレンドの候補を提示してくれた印象だ。