ファッション

「ニール・バレット」2015-16年秋冬メンズ 進化するレイヤード。今季もトレンド性と男らしさで先頭を走る

 「ニール・バレット」の2015-16年秋冬コレクションは、半年前、もっともトレンディな形で提案したレイヤードスタイルを、男にとって欠くことのできないミリタリーとフォーマルのスタイルに転用。決してリアルを逸脱せず、巨大すぎるファーやムートンコートの力も借りることなく、今季最大のトレンドであるレイヤードをいとも簡単に手に入れた。

 スタイリングにおいては、計算し尽くしたち密さが垣間見える。たとえば、ハイゲージのタートルニットには、ライナーにムース素材をボンディングしたGジャン風のブルゾンを重ね、“厚手のアウターの下に、薄手のインナー”のスタイリング。一方、ミドルゲージのタートルネックには、フランネル素材のチェスターコートを合わせ、こちらは“薄手のアウターの下に、厚手のインナー”のコーディネイト。こうすることで、いずれのスタイルにも過剰でも貧弱でもない、適度なボリューム感を与えた。

 また、トロンプルイユ(だまし絵)のアイデアも豊富だ。たとえばタートルネックは、首回りだけをリブ編みに切り替えることで、タートルのリブニットの上から丸首ニットを重ね着しているように見せる。トレンチコートは、ベルトから下の身頃をウールに切り替え。ひざ上丈のコートの上から、コンパクト丈のトレンチを重ねているように見せた。秀逸だったのは、モッズコートとチェスターコートのコンビネーション。いずれもニードルパンチの技法を使い2着提案した。1着目は、上がモッズコートで、下がチェスターコート。そして2着目は、その反対。後者はモッズコート本来の姿を意識して、裾にはドローコードとスナップボタンをあしらった。

 計算づくめのスタイリングとトロンプルイユのアイデアで、最大4着の重ね着もスマートに見える。ボトムスがスリムテーパードやレギンスパンツだからなおさらだ。カラーパレットを白と黒、グレー、そしてカーキに限定したコレクション。「ニール・バレット」の洋服は、たとえふんわりしたフォルムにまとまりがちなレイヤードスタイルでもたくましい。男らしくありたい男性にとって、ありがたい存在だ。

NEIL BARRETT x コレクションの記事

関連タグの最新記事

ファッションの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。