ドクターズコスメ「ドクターケイ(DR.K)」の共同開発者でもある青山ヒフ科クリニックの亀山孝一郎院長が16日、急性虚血性冠状動脈疾患で急逝した。18日、同クリニックが発表した。休暇中に家族で船旅を楽しんでいる間の、突然の出来事だったという。本人の意向により通夜及び葬儀は行わない。また、クリニックは当面の間休診するとしている。
亀山孝一郎院長は1980年に北里大学医学部卒業後、北里大学皮膚科に入局。1986年1月~1989年5月には、世界最高峰の研究機関である米国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH) でメラニンの生成についての最新研究に没頭し、1999年に青山ヒフ科クリニックを開業した。
亀山院長の研究は現在のスキンケアの礎になっているものも多く、1999年に発表した論文「ビタミンCのニキビに対する効果」は、当時感染症とされてきたニキビについて「皮脂の過剰分泌を背景としたもので、アクネ菌は悪性因子である」という結果を発表し話題を集めた。この研究をきっかけに、ビタミンCとニキビ、テカりやオイリー肌との関係を詳しく分析。また、ビタミンCの誘導体が天然型の何倍も肌に吸収されることを世界で初めて証明するなどしたことから、“ビタミンC研究の第一人者”と言われるようになった。
2002年には数々の研究と臨床経験を取り入れたスキンケアブランド「ドクターケイ」を開発。ブランド誕生21年経った現在でもファンの多いブランドへと成長し、今年3月に発売された美容液“レチノール美容液”が美容各誌のベストコスメに取り上げられるなどした。亀山院長本人もメディアでの啓蒙活動や書籍「毛穴道」(講談社)の監修など、精力的に活動を続けていた。