ショー会場はかつてのクチュールのショーのように、小さな小部屋で分けたサロン風。ただし、色はパステルピンクとアップルグリーンで可愛らしく、天井と床には工事現場のようなアルミ素材が配されるなどコントラストが効いている。ショーが始まる前に配られた飲み物やフィンガーフードもピンクと淡いグリーンで乙女心満載だ。
アイテムはクラシカルなものがそろう。大きなラペルのダブルやシングルのジャケットやコート、丈が短いフレアパンツや台形スカート、第1ボタンまで留める襟をサテンで切り替えたシャツ、ハイウエストで切り替えたミニドレスやジャンパースカートのバリエーション。これでほとんど全部だ。それらをピンクやブルー、グリーン、イエローといったパステルカラーに染めてポップな色合わせを楽しむ。
アクセサリーも、ポップなコーディネートの決め手で、ダブルストラップのチャンキーヒールの靴や、メタリックカラーの長手袋、大きな花型のプラスチックのブローチなど“女子心”をくすぐる主張の強いアイテムが服を彩る。バッグは、オーストリッチで包んだカーフのボストンがユニークだ。
最大のポイントは、ひねりの利いた素材使いだ。その発色の良さやボリューム感からネオプレンに見えるふかふかの素材はどうやらダブル・フェイス・ジャージー。独特の丸みのあるフォームの形成につながっている。クラシックなヘリンボーンやグレンチェックといった柄も、どうやらこのネオプレン風素材にプリントしたフェイクが混じっていそうだ。