ファッション

「モスキーノ」2015-16年秋冬ミラノ カラフルでやんちゃなヒップホップ・ガール

 バービー人形をモチーフにした先シーズンのガーリーな世界観から一転。ジェレミー・スコットは、アメリカのストリートカルチャーからヒントを得たようだ。ランウエイの背後の壁には、巨大なラジカセのセット。爆音で流れる音楽に合わせ、メンズライクなカジュアルアイテムと、ブラトップやタイトスカートなどフェミニンなアイテムをミックスし、やんちゃなヒップホップ・ガールを描いた。今季もジェレミーのユーモアがたっぷりだが、これまでの2シーズンに比べると、SNS映えするだけでなく、よりウエアラブルになっている印象だ。

 序盤は、赤、青、黄緑、黄色、オレンジといった強い色を用いたキルティングアイテムを掛け合わせて、カラフルなスタイルを提案。ベンチコートのようなオーバーサイズのコートは、アイコニックなノーカラージャケットをほうふつとさせる金ボタンや黒の縁取りで「モスキーノ(MOSCHINO)」らしさを演出している。背中を覆う大きなデイパックや左右につばのついたキャップなどユニークなアクセも目を引く。

 それに続くのは、ワーナー・ブラザーズの「ルーニー・テューンズ」とのコラボレーション。バッグス・バニーやトゥイーティーなどどこか懐かしさを感じるキャラクターが、大ぶりのゴールドのアクセサリーやスニーカー、キャップを身につけたヒップポップスタイルで、ベースボールシャツなどスポーティーなウエアからアクセまでさまざまなアイテムに登場した。異なるキャラクターモチーフのニットを着た5人のモデルが横並びでランウエイを闊歩する姿は、インパクト絶大だ。

 終盤には、スプレーで描くグラフィティーをモチーフにしたアイテムを披露。黒地にファーのモザイクでカラフルなグラフィティーを描いたジャケットやコートは、ラグジュアリーな一品。デニムやスエット、アンダーウエアを再構築したアイテムを合わせ、大ぶりなチェーンやメタルパーツのアクセサリーを身につければ、ヒップホップ・スターの完成だ。また、ラスト15体のイブニングウエアも、多彩なグラフィティーをのせたドレスに終始した。

 なお、今回もコレクションの一部をカプセルコレクションとして、ショー直後から販売している。今シーズンは、先日発売したばかりの香水「モスキーノ・トイ」のボトルデザインにもなっているテディベアをモチーフにしたアイテムを提案。ニットやTシャツからバッグやiPhoneケースまで20型を用意する。日本では、阪急うめだ本店で開催中のポップアップショップで取り扱っている。

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