オープニングを飾ったのはタイの「スレトシス」だ。色とりどりの花を置いたステージで「女性が夢見るファンタジーや自分の真のスタイルを見つけるためのヒントなどを盛り込んだ」という今シーズンは、同ブランドらしいデコラティブでドリーミーなテイストに、1970年代の要素を盛り込んだ。肩にフリンジを付けたウエスタンシャツは、素材をシルクシフォンに変えて、ツバメのプリントを施すことで柔らかな印象に。ブドウやイチゴなどのキッチュなモチーフを付けたスエード風のワンピースは、あせたようなビンテージ風の色合いでまとめレトロな雰囲気を漂わせた。
さらに、テディベアで有名なシュタイフ社製のカーリーなファーの素材使いが今シーズンのポイント。ベルトでウエストマークしたコートやショート丈のブルゾンだけでなく、カクテルドレスの袖やスカートにも採用した。ブランドの架空のキャラクター“ユニコーンモンキー”や毛むくじゃらのモンスターをプリントしたシルクシフォンの軽やかなロングドレスやワンピースなどと合わせて、素材のコントラストを楽しんだ。
期間中は、52ブランドがショーやインスタレーションを発表。ブランド創立30周年の「タケオ キクチ」が13年ぶりにランウエイショーを開催するほか、せーのが手掛ける「ヴァンキッシュ」の新レーベル「ブラック バイ ヴァンキッシュ」や「イイザ ローン」、タイの「キュレイテッド バイ エック ソン プラサート」、インドネシアの「トトン」などが初参加する。最終日の21日には、昨シーズン新設された「東京 ファッション アワード」を受賞した「サルバム」「リトゥンアフターワーズ」「ジョン ローレンス サリバン」「ファクトタム」「ディーティーティーケー」「ファセッタズム」の6ブランドがコレクションを披露する。