ファッション

「クリスチャン ダダ」2015-16年秋冬東京 ブラックのファーで描くミューズとの思い出

 2012年春夏から3年半ぶりのウィメンズコレクションを披露した「クリスチャン ダダ(CHRISTIAN DADA)」。会場では植物が巻き付いたスピーカーをランダムに配置した空間を作った。テーマは「バレンタイン(VALENTINE)」。デザイナーの森川マサノリがロンドンに留学していた頃に憧れていた女性の名前だ。その彼女にオマージュを捧げながら、ブランドの世界観を織り交ぜて、美しく逞しい女性像を描いた。

 ジェーン・バーキンの名曲「無造作紳士(L'aquoiboniste)」が流れる中現れたのは、レオパード柄のラペルが付いた黒いファーのライダースジャケットとスリットを入れたレザーのプリーツスカートを着たブロンドヘアのモデル。頭には縦長のファー帽子のパパーハをのせて、どこかミステリアスな雰囲気を醸し出す。その後も、身頃に黒いレザーを配したオーガンジーのロングドレスや黒いボアのジャンプスーツとパパーハの組み合わせなど、ファーやレザーを用いた全身ブラックのコーディネートが続く。

 中盤、やさしいシャンソンからロックに曲が変わると、ブランドが得意とする西陣織を採用したジャケットやコート、プリーツのロングワンピースが登場する。生地は、山や花が描かれた1970年代のビンテージで、レトロでオリエンタルな印象だ。終盤には、胸元に虎の刺しゅうを左右対称に施したスタジャン風のケープや星条旗や富士山、ドラゴンを多数つけたMA-1やワークジャケットでコーディネートにパンチをきかせた。

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