スタイリングの要は、大ぶりなポンチョやストール、パンツなどに落とし込んだネイティブ・アメリカンの柄。これらがテイストの異なるアイテム同士のつなぎ目となり、コレクション全体に連動感を持たせている。
モデルが登場し終わると、映画のエンドロールのように15年間のシーズンテーマを会場に投影した。そこでショーは終了かと思いきや、オリジナルのモノグラム柄で作ったヘッドギアを付けたモデルが、新たなアイテムを身につけて一斉に登場し、一瞬で去っていった。
実は、序盤で登場したコレクションは過去15年間のアーカイブをスタイリングし直したもので、ラストに登場したコレクションが今季の新作。大どんでん返しのショーで、観客の意表を突いた。その意図について下野宏明デザイナーは「コレクションを作るときにトレンドは意識していない。15年前の昔のアイテムでも今っぽくスタイリングすることで、消費されないストリートカルチャーを示したかった」と語った。