ビューティ
連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第124回

「セールをしない商品」が開く、リアル拠点の価値

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【連載】ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望

ビューティ賢者が
最新の業界ニュースを斬る

ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。 今週は、美容機器メーカーなどが手掛ける高価格帯の美顔器の話。

弓気田みずほ ユジェット代表・美容コーディネーター プロフィール

(ゆげた・みずほ)伊勢丹新宿本店化粧品バイヤーを経て独立。化粧品ブランドのショップ運営やプロモーション、顧客育成などのコンサルティングを行う。企業セミナーや講演も。メディアでは化粧品選びの指南役として幅広く活動中

【賢者が選んだ注目ニュース】

資生堂はチェインストア制度100周年を迎える今年、専門店ブランドを再編し「攻め」の戦略へシフトすることを発表した。チェインストア制度は関東大震災からの復興期、過熱する値引き競争の中で苦しい経営を余儀なくされていた小売店・問屋・メーカーが、定価販売を行うことで適正な利益を確保し、共存共栄を図る制度から始まったもの。チェインストア制度の中で扱われる商品はカウンセリングを通じて販売が行われる。資生堂のほかコーセー、花王、アルビオンといった国内大手メーカーでも、同様のボランタリーチェーン業態が導入されている。

「専門店ブランド」の新たな可能性

今回復活する「インウイ」は1976年の誕生以降、数回のリブランディングを経て2000年ごろまで続いたブランド。セルジュ・ルタンス、ケヴィン・オークイン、ディック・ページら代々のクリエイターによる商品は、幅広い世代の記憶に残っている。販売サイドにとっても顧客との会話のきっかけになるだろう。

資生堂では他にも、肌解析技術と美容機器、カウンセリングのシナジーを狙う「エフェクティム」を全国500店舗に拡大展開する他、専門店ブランドとして長い歴史を持つ「ベネフィーク」をリブランディングする計画だ。専門店の持つ高いカウンセリング力と顧客とのつながりの深さを最大限に生かす戦略が見える。

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