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連載 エディターズレター:IN FASHION

映画「バービー」感想文 直球のフェミニズム。でもそれだけじゃない【エディターズレター:IN FASHION】

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※この記事は2023年08月29日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

映画「バービー」が公開後、世界では大ヒットを記録しています。8月11日までの興行収入は、北米では4億8500万ドルを(約685億円)、世界で合計10億6000万米ドル(約1543億円)をそれぞれ超えて、女性映画監督作品としては史上最大のデビュー作となっているそうです。こちらの記事からもわかるように、1959年発売の「バービー」は各時代の理想の女性像とスタイルを象徴してきました。映画の中ではそれらがリアルな着こなしで山ほど登場して楽しい。今後ファッション業界に影響が及ぶのは必至でしょう。

しかし日本ではご存じの通り、公開前にネガティブな意味で話題になりました。「バービー」と原爆開発者の実話を描いた「オッペンハイマー」の2作品が米国で同日公開されたことから、SNSで発生した「バーベンハイマー(Barbenheimer)」というミーム。そのコラージュ絵は、日本人の目には原爆投下という許されない史実を軽んじているように映ります。それをこともあろうか、米国の「バービー」の公式Xがポジティブにリプライしたことで炎上。無知であることは罪であり、映画を観ないことで怒りの意思表示をする選択をする人が多いのも当然です。この件が原因なのか、日本での立ち上がりはふるわず。「CINEMAランキング通信」の週末観客動員数ランキングによると、8月18~20日は第9位となっています。

私は、この一件から作品すべてを否定することもないだろう、という考えで観に行きました。ちなみに訪れた劇場は10%ほどしか埋まっておらず文字通りガラガラでした。

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