ファッション

キャサリン妃の2023年1〜7月の着こなしを振り返り 着用ブランドを総まとめ

英国王室ファミリーの装いは、常に世界中の注目を浴びている。中でも、2022年にエリザベス女王(Queen Elizabeth II)が死去したことを受けて継承した“ウェールズ公妃”としての責務を果たすため、勢力的に公務に参加しているキャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales)の着こなしへの関心は非常に高く、多くのメディアが詳細に取り上げている。

故エリザベス女王やキャサリン皇太子妃の着こなしに関する著書を執筆してきたジャーナリストのベサン・ホルト(Bethan Holt)いわく、「かつては、ウィリアム皇太子(William, Prince of Wales)と夫婦ともに社交的で親しみやすいカジュアルな印象だったが、今年に入ってからは真剣に公務に取り組む姿勢を反映したようなルックが目立つようになった」という。実際、キャサリン皇太子妃はジャケットやスーツをこれまでよりも多く着用するようになっており、ウィリアム皇太子と仲睦まじく色などでリンクコーデすることもある。

昨年40歳を迎えてからは、英国ブランドを着用する機会を増やしていて、スカートは長めの丈を選ぶようになった。愛用ブランドである「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」や「エミリア ウィックステッド(EMILIA WICKSTEAD)」「セルフ-ポートレート(SELF-PORTRAIT)」に加えて、この7カ月で多く着用したブランドは「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」や「マルベリー(MULBERRY)」「ローラン ムレ(ROLAND MOURET)」「キャサリン・ウォーカー(CATHERINE WALKER)」など。また、手ごろなリアルクローズブランドの「リース(REISS)」や「LK ベネット(LK BENNETT)」も着用するなど、幅広いラインアップだ。

インフルエンサーの影響を分析するマーケティング企業のウィアリズマ(WeArisma)によると、5月に行われたチャールズ国王(King Charles III)の戴冠式でのキャサリン皇太子妃の姿は最も影響力のある瞬間の一つだったとし、米タイム誌(Time Magazine)のインスタグラムに投稿された「アレキサンダー・マックイーン」のドレスは、34万9700ドル(約5105万円)のエンゲージメントバリューをもたらしたとされている。ますます高まるキャサリン皇太子妃によるファッションシーンへの影響力。2023年1〜7月の話題を集めたルックを月ごとに振り返るとともに、着用ブランドはもちろん、アクセサリーや色使いといったポイントをまとめた。

1月はバッグもシューズもワントーンカラーで全身コーデ

12日:王立リバプール大学病院(Royal Liverpool University Hospital)とバーケンヘッドの「オープン・ドア・チャリティ(Open Door Charity)」訪問時には、同行したウィリアム皇太子とネイビーとダークグリーンで仲良くカラーコーディネート。英「ホランド・クーパー(HOLLAND COOPER)」のタータンチェックのコートに、英「セフィン・スタジオ(CEFINN STUDIO)」のリブ編みニットドレス、「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO)」のパンプス、「マルベリー」のハンドバッグを合わせた。

30日:第76回英国アカデミー賞(BAFTA)のイベントでは、「アレキサンダー・マックイーン」のパワースーツに合わせ、「ジャンヴィト ロッシ」のパンプスと「ミュウミュウ(MIU MIU)」のクラッチバッグと赤一色で登場し、存在感を示した。

31日:キャサリン皇太子妃による「シェイピング・アス(Shaping Us)」キャンペーンの立ち上げでは、「アレキサンダー・マックイーン」のロングコートと「マニュ・アトリエ(MANU ATELIER)」のバッグでダークグリーンをポイントに、「ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)」のドレスと「ジャンヴィト ロッシ」のブーツを合わせて。

2月は黒をアクセントにしたシックでスマートな装いに

9日:“コーンウォール公爵夫人(Duchess of Cornwall)”として初の公の場に登場した記念すべき日。英「ホッブスロンドン(HOBBS LONDON)」のコートと「キルタネ・スコットランド(KILTANE SCOTLAND)」のタートルネックのセーター、英「エデライン・リー(EDELINE LEE)」のスカート、「ジャンヴィト ロッシ」のブーツを着用し、クラシックでスマートな印象に仕上げた。

19日:第76回英国アカデミー賞の授賞式では、ワンショルダーに仕立て直された「アレキサンダー・マックイーン」の白いドレスを着用。黒い手袋に、「アクアズーラ(AQUAZZURA)」のパンプス、「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」のクラッチバッグをコーディネート。

28日:ファストファッションブランドの「ザラ(ZARA)」もお気に入りのキャサリン皇太子妃。この日はカスタムメードの「アレキサンダー・マックイーン」のコートに、「ザラ」の千鳥格子のスカート、「マルベリー」のクロスボディーバッグ、「ジャンヴィト ロッシ」のブーツで、ハイ&ローなスタイルを披露。

祝日が多い3月は、カラーをポイントにしたトータルコーデ

1日:ウェールズの記念日であるセント・デイビッドデーは、「アレキサンダー・マックイーン」のロング&リーンの赤いコートを主役に。英国王室御用達の「ジュリエット・ボタリル(JULIETTE BOTTERILL)」の帽子と「マルベリー」のバッグ、「ジャンヴィト ロッシ」のブーツは全て黒でまとめた。

16日:イギリス連邦の祝日、英連邦記念日のこの日は、「アーデム(ERDEM)」による白い花モチーフを散りばめたネイビーのスカートスーツをセレクト。「ジャンヴィト ロッシ」のパンプスと「エミー・ロンドン(EMMY LONDON)」のクラッチバッグも同じネイビーで合わせて。

17日:アイルランドにキリスト教を広めたとされる聖パトリックの命日で、カトリックの祭礼日であるセント・パトリック・デー。緑豊かで“エメラルド島”とも呼ばれるアイルランドにちなみ、この日は緑色を着用する人も多い。キャサリン皇太子妃も、鮮やかな青緑の「キャサリン・ウォーカー」のドレスコートでお祝い。

4月はアウトドアスタイルもドレッシーな装いもおまかせ

9日:ウィンザー城(Windsor Castle)の聖ジョージ礼拝堂で行われたイースターの礼拝に参加。昨年の英連邦記念日に初めて着用した、鮮やかなブルーとシャープなショルダーラインが印象的な「キャサリン・ウォーカー」によるオーダーメードのコートをふたたび身にまとった。

20日:バーミンガムを訪れた際は、「カレン・ミレン(KAREN MILLEN)」のドレスを選択。足元はお気に入りの「ジャンヴィト ロッシ」のパンプス。

27日:ウェールズではアウトドアスタイルを披露。「ホランド・クーパー」のセーターと「ジースター ロゥ(G-STAR RAW)」のパンツに、「コングール(KONGUR)」と「キーラ(KEELA)」の2種類のジャケットを着回した。

戴冠式の5月。華を添えたのは「マックイーン」のドレス

4日:チャールズ国王の戴冠式を2日後に控えたこの日は、キャサリン皇太子妃流のエレガントな紅白スタイル。青い裏地がちらりと見える「エポニーヌ・ロンドン(EPONINE LONDON)」の赤いコートに合わせた「スザンナ・フリッピー(SUZANNAH FLIPPY)の白いドレス。「マルベリー」のバッグと「ジミー チュウ」のヒールパンプスも白。

6日:戴冠式当日。歴史に残るこの日に、“ウェールズ公妃”の新たな称号を授けられたキャサリン皇太子妃は、正装の赤と青のローブが映えるような、白い「アレキサンダー・マックイーン」のドレスで登場。ティアラではなく「ジェス・コレット(JESS COLLETT)」と「アレキサンダー・マックイーン」のコラボレーションによるヘッドピースをつけ、故ダイアナ・フランセス(Diana Frances)元皇太子妃が所有していた白蝶真珠とダイヤモンドのイヤリングを合わせた。

9日:バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)のガーデンパーティーでは、くすみブルーのシフォンが上品な「エリー・サーブ(ELIE SAAB)」のボウタイブラウスとスカートのセットアップを着用。19年の競馬の祭典「ロイヤルアスコット(Royal Ascot)」でも披露したスタイル。「フィリップ・トレーシー(PHILIP TREACY)」の帽子と「エリー・サーブ」のクラッチバッグ、「ジャンヴィト ロッシ」のヒールパンプスをマッチング。

6月は上品で洗練された正装スタイル

17日:英国君主の誕生日を祝うセレモニー“トゥルーピング・ザ・カラー・セレモニー(Trooping the Colour Ceremonies)”のために、エメラルドグリーンの「アンドリュー・ゲン(ANDREW GN)」のコートドレスを特注。故ダイアナ元皇太子妃をほうふつさせると話題を集めた。帽子は「フィリップ・トレーシー」。

19日:イングランドの最高勲章であるガーター勲章の授与式が行われるガーターデー(Garter Day)には、「アレッサンドラ・リッチ(ALESSANDRA RICH)」によるビスポークのホワイトドレスをセレクト。黒と白のポルカドット柄に合わせて、同色のパンプスと「フィリップ・トレーシー」のサンダルでまとめた。耳元には、故ダイアナ元皇太子妃のパールのイヤリングをつけて。

20日:前日に続いて白を基調にしたモノトーンコーデを披露。この日は、改修工事を経たナショナル・ポートレート・ギャラリー(National Portrait Gallery)の再オープンを祝うプレオープンデーで、黒とシルバーのラインがエレガントなツイードジャケットに、「セルフ-ポートレート」のプリーツスカートを着用し登場。靴は「アクアズーラ」のリボン付きパンプス、バッグは「シャネル(CHANEL)」のキルティングクラッチ。

スポーツの7月は爽やかな色のサマースタイル

4日:テニスの四大大会の1つ、ウィンブルドン選手権(2023 Wimbledon Championships)に初めて姿を見せたキャサリン皇太子妃。主役に選んだのは、ミントグリーンが印象的な仏「バルマン(BALMAIN)」のダブルブレストのジャケット。その鮮やかな色を引き立てるように、「ジャンヴィト ロッシ」のパンプスや「マルベリー」のバッグ、プリーツのスカートを全て白でまとめた。

6日:ウィリアム皇太子が出場したロイヤル・チャリティ・ポロ・カップ(Royal Charity Polo Cup)の試合を観戦。会場でキャサリン皇太子妃の存在感をひと際高めたのは、花のモチーフ柄をあしらった英「ビューラ・ロンドン(BEULAH LONDON)」のスカイブルーのドレス。英「カミラ・エルフィック(CAMILLA ELPHICK)」のスリングバックパンプスはヌーディーカラーを選び、ドレスをさらに引き立てた格好だ。

15日:ウィンブルドン選手権の女子シングルス決勝戦に出席。フェミニンかつ爽やかなパステルグリーンが印象的な「セルフ-ポートレート」のドレス姿に、来場者はクギ付け。足元には「ジャンヴィト ロッシ」のスエードパンプス、手元には「エミー・ロンドン」のチェーンクラッチ、耳元には「カサンドラ・ゴード(CASSANDRA GOAD)」のパールのイヤリング。試合観戦中のオーバーサイズフレームの「ヴィクトリア ベッカム」のサングラス姿も話題を集めた。

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