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資生堂の14年3月期上期決算は為替の影響で増収増益、”二度と在庫をためない仕組みづくり”に注力

 資生堂は10月31日、2014年3月期上期の決算を発表した。売上高は対前年同期比108.1%の3605億円、営業利益は同244.4%の204億円、経常利益は同251.7%の210億円、純利益は同107.1%の54億円だった。国内売上高は店頭在庫縮減のための出荷抑制を行なった結果、同97.5%の1819億円だった。一方で、海外売上高は現地通貨ベースで同100.5%、円換算後では為替レートが円安で推移したことにより、同121.5%の1786億円だった。売り上げ下位製品の店頭在庫の回収に伴う営業費用を引き当て計上した一方で、販売管理費の効率化やコスト構造改革で収益性を高めたこと、一部費用が下期に繰り下がったことにより、営業利益・経常利益ともに大幅に前年を上回った。

 決算説明会で資生堂の前田新造・社長は「成長の行く手を阻む経営課題」として、「国内の在庫適正化と、二度と在庫をためない仕組みづくり」を挙げ、9月からの出荷抑制に加え、下期に店頭在庫の回収を実施することを発表した。「2014年度から店頭売り上げのみが評価される指標を整備し、販社売り上げは評価指標から除外する。相当な覚悟を持った決断」と強い意気込みを示した。また、コスト構造改革は計画を前倒して進捗し、上期で70億円を削減。2014年度には累計200億円以上の削減に及ぶ見通しで、コンスタントに利益をあげられる経営体質への転換を目指す。

 なお、2014年3月期の通期見通しでは、売上高は同109.2%の7400億円、国内売上高は同98.3%の3670億円、海外売上高が同122.5%の3730億円で、資生堂史上初めて、海外売上高が国内売上高を上回る見込みだ。

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