高島屋は攻めの姿勢を鮮明にする。2022年からコスト構造改革に取り組み、業務を効率化。コロナの5類移行後の消費回復の追い風もあって、24年2月期の連結営業利益の予想を上方修正した。秋以降は、京都店に専門店ゾーンの新館「T8(ティーエイト)」を開業するほか、アパレルの重点取引先との連携を深める。改革のキーマンである横山和久・代表取締役専務 営業本部長に高島屋が目指す「強い店頭」について聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月18日号に加筆しています)
WWD:いまの最優先課題は何か。
横山和久・代表取締役専務 営業本部長(以下、横山):構造改革をやりとげることだ。当社の構造改革は、組織や仕組みを効率化する「コスト構造改革」と、百貨店としての「営業力強化」の2つの側面がある。
コスト構造改革は、22年3月の大阪店を皮切りにスタートした。組織態勢の見直し、外部委託業務(レジ打ちや配送)の内製化などで、販管費を大幅に抑える。販売部門のスタッフは販売に特化し、それ以外のオペレーション業務は後方部門に集約した。稼ぎ頭である販売部門が、自分の仕事に集中できる態勢にした。目指すのは単なるコストの切り捨てではない。慣れ親しんだ仕事のやり方を見直し、デジタルをうまく活用しながら今の時代に合わせた稼げる店舗にすることだ。
その意味ではマネジメント階層の集約も大変革だった。長らく店舗では店長、副店長、部長、副部長、マネジャー、副マネジャー、つまり6層で意思決定してきた。これを店長、副店長、部長、マネジャーの4層に改めた。現場とマネジメント階層との距離が縮まり、コミュニケーションが円滑になった。意思決定のスピードが速まった。社員はそれぞれ本来の業務に集中できる。
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